高円寺地域における新しい学校づくり計画策定までの取り組み概要

 

ページ番号1008073  更新日 平成29年10月24日 印刷 

 教育委員会では、「杉並区立小中学校適正配置基本方針(平成21年2月改定)」に基づき、杉並第八小学校が適正配置検討対象校となって以来、高円寺地域全体の小学校・中学校在籍者の減少傾向が見られることから地域全体の課題として、各学校関係者や地域関係者と子どもたちにより望ましい教育環境を提供していくため、意見交換を重ねてきました。これまでいただいた意見を踏まえ、平成25年6月に「高円寺地域における新しい学校づくり計画(素案)」を作成しました。
 さらに、杉並第八小学校・杉並第三小学校・杉並第四小学校・杉並第十小学校・高円寺中学校・高南中学校の関係者や高円寺地域の方々との意見交換を重ね、平成25年8月に「高円寺地域における新しい学校づくり計画」(案)を作成し、「杉並区区民等の意見提出手続に関する条例」に基づき、区民の意見を聞き、この度、平成25年11月に「高円寺地域における新しい学校づくり計画」を策定しました。

関係校との意見交換で寄せられた意見と教育委員会の考え方

1 計画対象校について
番号 主な質問・意見 区教育委員会の考え方
1
  • 新校が小規模にならないか。
  • 小規模校よりある程度規模のある学校では行事等がより活発になり、この計画には賛成。しかし、世間は私立志向が高まっている。施設だけではなく、運営面でも多様性があり、革新的な魅力あるものにする必要がある。
計画対象3校のこれまでの魅力ある教育を継承しつつ、他校の取組みを参考に、高円寺地域ならではの魅力ある学校づくりを目指し、多くの児童・生徒が通う学校になるよう取り組みます。
2
  • 高円寺地域の中学校の在り方について今後は検討しないのか。
  • 高円寺地域に中学校2校は多いのではないか。
今後も高円寺地域の人口動向を見据え、より望ましい教育環境をどのように提供していくか、学校関係者をはじめ地域の方々と検討していくこととします。
3 適正規模であった時代が過去にあったはず。この計画はその頃の教育の質に近づけるということか。 過去に合わせていくのではなく、現在の魅力的な教育を発展的に継承し、現在の高円寺地域の教育環境をよりよいものにしていくために検討しています。
4 学校統合はコスト削減のために行うのか。 子どもによりよい教育環境を提供することを念頭に計画を検討しています。
5
  • 中学の統合も同時に行うべき。この3校の計画を先行する必要性を感じない。
  • 杉八小の単独存続を希望する。杉八小が計画から外れる可能性があるか。
  • 杉八小の児童・保護者の肯定率は94%あり、それほど現状に不服はなく、現在の教育環境から変えて欲しくないと思っている。
  • 杉八小の現状の問題点と新校ならではの良さが伝わってこない。
平成21年度から高円寺地域の各校関係者や地域関係者と意見交換を行い、さまざまな意見をいただいております。小規模校の良さは認識していますが、杉並区立小中学校適正配置基本方針にあるように、ある程度の規模があることで子どもの交友関係が広がり多様なものの見方や考え方に触れる機会が多く得られるとともに、学校行事等の教育活動の活性化が図られると考えます。
それらを総合的に勘案した上で、計画素案を作成しています。
さらに皆様からいただいた意見を参考に計画を策定していきます。
6 杉八小が単学級となった原因は学校希望制度であり、廃止されれば、複数学級となり適正配置検討対象から外れるのではないか。 学校希望制度が廃止されることで、杉八小が複数学級になる可能性はありますが、高円寺地域の学齢人口が少ない現状があります。現状と今後の人口推計を踏まえ、高円寺地域に新しい学校づくりの必要があると考えます。
7
  • 学校は耐用年限等を考慮して築50年はもつ。その頃の人口推計は。
  • 国の総人口が減少する際、流動性が高い都市部に人口は流入する可能性がある。高円寺地域はそういう地域であるため、必ず人口が減少するとは断定できない。
さまざまな機関で推計が出されており、数年は微増もしくは横ばいに推移するものの、数十年単位では人口は減少しています。
人口の流入の可能性があるかもしれませんが、学齢人口も合わせて増加する可能性は低いと考えます。
8 通学区域が未定のままでは、児童・生徒数の推計はできないはず。新しい学校を建設した後で教室が不足するようなことはないか危惧する。体育館やプール等も不足しないのか。 高円寺地域全体の児童・生徒数のおおよその動向は把握しています。
教室等の学校施設が不足することがないように規模は余裕を持って建設する必要があると認識しています。体育館やプール等も必要に応じて小中学校それぞれに建てることも検討します。
9 現高円寺中学校校地では手狭ではないか。 近隣商業地域及び第二種中高層住居専用地域であるため、他校と比較し、ある程度規模が大きい施設が建設可能です。
2 小中一貫教育・施設一体型小中一貫教育校について
番号 主な質問・意見 区教育委員会の考え方
1
  • 9年間を通した一貫性のある教育と言うが、小学校と中学校の通学区域が異なる地域が存在する。6-3で途切れるのではないか。
  • 連携校ではない学校に進学する小学生が今後関わる予定がない中学生と顔見知りになり、連携することに意味を感じない。
9年間を通した一貫性のある教育ではありますが、学習指導要領に沿って6-3制で教育が行われます。小中学校の教員同士の相互理解によって授業力等の向上が図られ、子ども達は確かな学力を身に付けるなどの効果が得られます。
小中一貫教育で連携していない中学校に進学しても、学習内容が異なることはなく、小学校で学んだことを中学校でさらに伸ばしていきます。
また、身近に将来の中学生像を見ておくことで、中学校への期待がさらに高まります。
2
  • 施設一体型における小学校6年生がリーダーシップをとれるのか危惧する。
  • 切れ目のない指導と言うが、区切りは必要だと考える。
施設一体型ではありますが、施設面においても小中学校のゾーン分けを行うなどの配慮をします。また、6-3制が維持されますので、全てのことを小中学校で一緒にやるわけではなく、小学校の活動として大切なものは小学校で行い、6年生の最高学年としての立場は維持します。
3 施設一体型のデメリットは。 施設一体型となることで小中学校の時程の違いや安全面などの課題はありますが、学校運営の工夫次第で対応できることだと考えます。全国の先行事例を参考に、子ども達にとってよりよいものを学校と地域の実態に即して、地域と共に検討します。
4
  • 施設一体型になることで教員がより多忙化しないか危惧する。
  • 施設一体型のメリットとして小中学校教員の交流をあげているが、研修で対応できるのではないか。
同じ校舎・同じ職員室内にいることで、これまでの施設分離型に比べの時間的な負担が軽減されるため、情報共有が十分に行え、子どもの実態も相互に把握しやすく、よりスムーズに一人一人の子どもにあった対応ができるようになります。また、授業研究も活発に行われ、教員の授業力等も向上し、児童・生徒のメリットになります。
5 中学校の教員は中学生を教育するプロ。小学校教員も同様。子どもにとってはそれぞれの教員から学ぶことがよりよい教育だと思われる。また、教員免許が違うことからも小中教員の相互授業は困難ではないか。 兼務発令や人事的配慮は必要になりますが、小学校の授業に小学校教員、中学校の授業に中学校教員が共に入り、チームティーチングを取り入れることで、授業に多様な展開が生まれます。教員の個々の指導能力も向上し、授業内容の幅が広がります。
9 中学校の部活と小学校の放課後の遊びが重なるのではないか。 学校運営においてゾーン分けなど検討しますが、近隣校の校庭や体育館も活用し、部活の活動の幅を広げることも検討していくこととします。
10 施設一体型の小中一貫教育校の先行事例となる新泉和泉地区に倣うことになるか? 地域によって児童・生徒の実態や地域の実情も異なるため、各々の地域に即した学校づくりを地域と共に検討します。
11 新校と杉三小は今後どのように連携していくことになるか。 高円寺地域の小中学校全体における学校間の連携も検討します。
3 通学区域・通学路について
番号 主な質問・意見 区教育委員会の考え方
1 通学区域は新校開校に向けた協議会で検討するのか。 地域・学校の代表となる協議会において意見等を頂き、教育委員会で検討していくこととします。また、周辺校である杉三小・杉十小・高南中関係者の意見も伺いながら検討します。
2
  • 杉八小の南側の地域は、新校に通い、高南中に進学しなければならないか。
  • 新校開校時に杉四小・杉八小以外に通う子ども達が新校に転校できるか。
  • 学校希望制度が廃止されてから新校開校までの間もある程度学校選択の余地が必要だと考える。
通学区域は、周辺校の保護者や地域の関係者の意見を伺いながら今後検討します。
また、学校希望制度は平成28年度新入生から廃止されますが、計画素案で対象となる小学校と中学校の通学区域が異なる地域は学校を選択できる仕組みが必要だと考えます。その方策についても地域の意見を聞き、検討してまいります。
3 一部の地域に検討している柔軟な学校選択の仕組みは、時限的か。 柔軟な学校選択の仕組みを時限的にするかについて検討していくこととします。
4 現在の杉八小の通学区域から現高円寺中校地は遠い。 杉並区の通学区域は、小学校をおおむね半径1キロ、中学校をおおむね半径1.5キロとしており、杉四小と杉八小の通学区域はほぼ納まります。
5
  • 新しい学校づくりは子どもにとってよりよい教育環境のためというが、小学校の通学区域について、配慮されていないように感じる。
  • 一部の地域に学校選択できる仕組みを採用すると、推計値が出せない。高円寺地域全体で考える以上、杉三小と杉八小の通学区域を南北で分けるべき。
地域から桃園川で小学校の通学区域を南北に分けた方がよいという意見と杉八小の通学区域を分断するべきではないという意見の両方が存在しています。杉四小と杉八小の統合でもあるため、教育委員会では現杉八小の通学区域は一体なものとするほうがよいと考えます。
6 通学路の安全対策は専門家の意見も聞くのか。 新校開校に向けた協議会において検討しますが、警察等の関係機関の立会のもと、専門的意見を伺い、協議会委員が実地踏査を行い検討していくこととします。
4 その他
番号 主な質問・意見 区教育委員会の考え方
1 今後の予定は。 8月まで計画素案の説明及び意見交換を行ったうえで教育委員会において計画案を作成します。区議会に報告した後、1カ月の間、区民等の意見提出手続きを経て、本年11月に計画を策定する予定です。
2 計画素案作成後の意見交換会での意見は計画案に反映されるか? 意見交換会でいただいた意見も踏まえ、計画案を作成します。
3 開校時期を考えると就学前の保護者に対する説明が重要だが、どのように実施されるか。 計画素案の段階で就学前のお子さんがいらっしゃる保護者を対象に意見交換会を7月中に2回開催し、計画案については、9月に学校で開催される次年度入学を予定している方を対象とした学校説明会において説明します。
4 杉三小、杉十小、高南中も小中一貫教育校の計画があるのか。 すでに小中一貫教育は3校で取り組んでいます。現時点では施設一体型小中一貫教育校等の計画はありませんが、児童・生徒数が多い地域ではないため、今後も人口動向を見据え、より望ましい教育環境をどのように提供していくか、学校関係者をはじめ地域の方々と検討していくこととします。
5
  • 開校時期は6年先になるため、新校開校に向けた協議会の構成に就学前の保護者の参加を要望する。
  • 新校の動向は、杉三小、高南中に大きく影響するため、統合協議会の構成に両校の代表を入れたほうがよい。
これまでの統合協議会の先行事例では、計画当該校の学校関係者や地域関係者で構成しますが、高円寺地域の特性を踏まえた構成を各校と相談しながら今後検討していくこととします。
6
  • 跡地利用を検討する際、教育委員会は担当ではなくなるのか。
    新しい学校づくりは地域のコミュニティづくりも含まれていると考えるため、教育委員会と共に検討することを要望する。
  • 計画は賛成だが、学校ではなくなっても地域の拠点としては残す必要がある。防災だけではなく、文化的施設ができれば地域も活性化される。跡地活用については地域の意見を反映してもらいたい。
跡地活用について、これまで学校関係者や地域からいただいた、防災面の配慮や地域のコミュニティの核となる施設が望ましいなどの意見は、教育委員会と区との情報共有に努めます。
7 高円寺北子供園を新校の校舎に入れるのは反対だが、現杉四小校舎に残るのか。連携は続くのか。 分離型になる場合にも、就学前教育及び小学校との連携は、保健福祉部と教育委員会が一体となって検討していくこととします。
8 特別な支援を要する子どもにとって小中一貫教育は非常に意味があるが設置される予定はあるか。 小中一貫で取り組む特別支援教育は効果が大きいと認識しています。今後、特別支援学級の需要等も視野に入れ検討していくこととします。
9 小学校は学校の統合が伴うが、小学校でグループが分かれ、いじめに発展しないか危惧する。 開校されるまでの数年間、区内の統合事例である天沼小や永福小などの手法を参考に、学校間の交流の機会を多くとるなど、開校前から子ども同士の関係が構築できるように準備を丁寧に行います。
10 現在、高円寺中学校は2学期制、小学校は3学期制。新校はどうなるか。 子どもたちにとってよりよい方法を今後検討していくこととします。
11 小規模校の場合には自然に異学年間の交流が活発になり多様な人間関係が生まれる。縦割り班活動はその好例。その活動を通して異年齢との付き合い方が自然と身につき、社会に出る基盤がつくられる。小規模校と大規模校の縦割り班活動は異質。 一定規模の学校では、同学年、異学年ともに多様な人間関係を育むことができると考えます。
縦割り班活動は、学校規模に関わらず成果が出ています。学校によって取組はさまざまではありますが、活動内容や頻度などの工夫次第と考えます。新しい学校においても、これまで各校で培われた魅力ある取組を生かせるよう教育活動について検討します。
12 震災が起きた場合など、学校で待機になる。JRと環七に挟まれた校地となるため、保護者は迎えに行くことが困難になることが想定される。子どもが安心して待てるシステムを要望する。 小中一貫教育校となることで教員数も増え、震災対応の体制も組みやすくなることに加え、中学生が同じ校舎にいることで、小学生などに対するケアが教員だけではなく、子ども同士でも行われることを期待しています。
13 計画素案の経緯に高円寺地域における新しい学校づくり計画策定準備会のことが掲載されていない。 各校で新しい学校づくりに対するさまざまな意見交換会が行われました。平成21年からのそれらの議論も含め総合的に勘案し、計画素案を作成しています。
14 意見交換会での質疑応答は公開するのか。 質疑応答の主な要点はホームページに掲載します。

計画素案作成までは、以下のとおりとなります。

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