25 民間信仰石塔(阿佐谷北五丁目) 【信仰】(阿佐谷北5丁目42番11号)

 

ページ番号1007848  更新日 平成28年1月18日 印刷 

ここに建立されている石塔は、元禄10年(1697)銘の庚申塔及び宝永7年(1710)・享保7年(1722)銘の地蔵塔並びに、正徳5年(1715)銘の阿弥陀塔計四基があります。
庚申信仰は、「長生きするためには庚申の夜は身を慎しみ、諸善を行い、徹夜をすべきである」という中国の道教説から始まったようです。それが日本に伝わってからは、中世以降仏教や神道の信仰と習合して庶民の間にひろまりました。江戸時代には、本尊を青面金剛とし、不見、不聞、不言の三猿が彫られるようになり、ここに見られるような庚申塔の建立が盛んになりました。
地蔵菩薩の信仰は、仏教の民衆化とともに宗派を超えてひろまりました。地蔵菩薩は、冥界と現実界の境に立って人々を守護するということから、村や道の境や村の安全を守護する菩薩とされ、村の路傍又は辻に多くの建立されています。
阿弥陀如来は西方極楽世界の本尊とされ、他力往生の誓願をたて、この仏を信じる者は、ただ念仏さえ唱えれば難行苦行を積むまでもなく、仏が大慈の光明を照らし、お迎えくださるとされています。
これらの石塔は、この辺りが武州多摩郡阿佐谷村字東原と称された頃、この地域の講中の人々によって悪病退散、村民安全などを祈願して建立されたものといわれてます。現在でも10月23日には、旧阿佐谷村の人々が中心になって祭礼が行われています。
なお、石塔の前の道は、かつての所沢道、左側の道は天沼から青梅街道に通じる旧道で、この附近は村の中心地でした。
私たちもこのような文化財を、一層大切に守りつづけたいものです。

昭和55年2月21日

 

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