96 文殊院 【寺院】(和泉4丁目18番17号)

 

ページ番号1007864  更新日 平成28年1月18日 印刷 

当寺は、遍照山と号する高野山真言宗の寺院で、本尊は弘法大師坐像です。
寺伝では、開山は高野山興山寺の木食応其上人とされていますが、「文政寺社書上」によれば、興山寺勢誉師が、慶長5年(1600)徳川家康の帰依を受けて駿府に寺地を拝領し、開創したと伝えています。開創時当時は寺号を興山寺と称していました。
徳川氏の江戸開府に及び、寛永4年(1627)に興山寺応昌師が、江戸浅草に寺地を賜り、駿府城北の丸の建物を拝領して移築しました。その際、寺号を高野寺文殊院と改めました。
その後、元禄9年(1696)麻布白金台町(現港区白金台)に移りました。その当時のようすが『江戸名所図会』に「白金 高野寺」として描かれています。そして、大正9年に区画整理のため現在地に移転してきました。
江戸期の当寺は、高野山在番所行人方触頭として真言宗では重要なお寺でした。また、宝暦年間(1751~1764)に御府内88カ所(大師信仰)打留の札所となりました。境内には、この大師信仰を示す88カ寺大師石像や「お砂踏の石」があります。
本尊の弘法大師坐像は、室町末期の作といわれ、「難産の女人を救い給う安産守護のご本尊」として信仰されており、多くの女性が安産祈願に参詣しました。弘法大師像は、区内においては大変めずらしいものです。
文化財としては、弁財天像・付近出土の板碑・百度石・文殊院文書などがあります。

平成20年

 

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