16 中道寺 【寺院】(荻窪2丁目25番1号)

 

ページ番号1007894  更新日 令和3年5月1日 印刷 

 当寺は大光山千葉院中道寺と号す日蓮宗の寺院で、中心に祀られているのは「黒目の祖師」と呼ばれる日蓮上人像です。当寺所蔵の『中道寺由来記』によれば、天正10年(1582年)に大光院日道がこの地に草庵を建てたのが開創で、その弟子二世日法が、元和2年(1616年)に大光山中道寺と称したとされています。寛永13年(1636年)に下総国(千葉県)の豪族千葉氏の家臣で、この地に土着した宇田川氏が旧主の菩提のために土地を寄進し、堂宇を整えたと伝えられています。
 現在の本堂は、昭和42年(1967年)に完成した総欅作りの大堂で、八間四面の宝形(方形)造り、高さ約15メートル、頂上には火炎宝珠を頂いています。
 また本堂正面にある鐘楼門は、安永2年(1773年)、十九世凌善院(りょうぜんいん)日喜(にちき)上人が発願し天明元年(1781年)、二十世太沖院日精(たいちゅういんにっせい)(太裕院日晴(たいゆういんにっせい))上人の代に完成しました。鐘楼と山門とを兼ねる珍しい建築様式は、杉並区有形文化財(建造物)に指定されています。この日精(日晴)上人は文政年間に日蓮宗総本山身延山久遠寺の第五十六世の法主を務めています。
 鐘楼門の両脇にある仁王堂は、平成14年(2002年)に四十世教道日惠(きょうどうにちえ)上人が発願、日蓮宗立教開宗750年慶讃事業として平成22年(2010年)に完成しました。
 本堂西側にある鬼子母神堂は、祈祷堂の額があり、江戸中期より盛んに祈祷が行われていたようです。
 そのほか境内西門近くに、妙王稲荷大明神が祀られており、このお稲荷様は、かつて関東管領上杉顕定(あきさだ)の家臣、中田加賀守の守護神であったとされ、大正年間に当寺に奉安されたとのことです。

令和3年3月

 

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