10 井草遺跡 【遺跡】(上井草4丁目13番31号)

 

ページ番号1007901  更新日 平成30年8月30日 印刷 

 井草遺跡は、上井草四丁目を中心に広がり、井草川(現在は暗渠)流域の台地上に位置している、旧石器時代から江戸時代までの複合遺跡です。
 昭和15(1940)年、初めての発掘調査が行われました。この時、後に地名を冠し「井草式土器」と命名された縄文土器群や石鏃(せきぞく)・石斧(せきふ)が発見されました。この土器群は関東ローム層(赤土)と上層(黒土)との境目付近で発見され、当時は最古の土器として注目されました。
 井草式土器は、口縁部が外に反った丸底の深鉢土器です。撚った紐を巻き付けた棒状の道具を使い、転がし押し付けた「撚糸文(よりいともん)」を、土器の縁(ふち)から全面に付けるのが大きな特徴です。
 このような特徴を持つ井草式土器は、縄文時代早期前半(約9千年前)を代表する土器型式として広く知られるようになりました。
 土器型式命名の契機となった遺跡を考古学では「標式遺跡」と呼びますが、井草遺跡は、考古学史に残る区内で唯一の標式遺跡です。

平成30年8月

 

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