63 鎌倉橋 【橋】(下高井戸4丁目43番)

 

ページ番号1007954  更新日 平成28年1月18日 印刷 

神田川にかかるこの鎌倉橋について、『武蔵名勝図会』には、「上高井戸の界にあり。古えの鎌倉街道にて……いまは農夫、樵者の往来道となりて、野径の如し」とあります。
鎌倉街道は、東国御家人と鎌倉を結ぶ道で、鎌倉~室町時代に繁栄しましたが、江戸時代以降、次第に衰え、後半期には前述の「野径の如し」といわれるように、一部分を残すだけとなりました。
また、この付近には、鎌倉時代に陣屋櫓が作られ、後に大田道灌の支配地になってからは、家臣某が任に当っていた、という伝承が残されています。
橋名の由来については、同書多摩郡之部高井戸宿の条に「鎌倉街道ゆえ、鎌倉橋という」と記されていることから、鎌倉橋と名付けられたという説があり、また一説には、長禄元年(1457)、大田道灌が江戸城を築く際、工事の安全を願い、家臣に命じて下高井戸八幡神社を建立させ、武士の信仰の厚い鎌倉八幡宮の神霊を勧請したおりに、鎮座地に近いこの橋を鎌倉橋と名付けたと言われています。
また、延宝2年(1674)4月の『武州多摩郡下高井戸村御縄打帳』には、「鎌倉橋北側」「鎌倉橋南側」という小字名がみえています。このことからみても、江戸時代初期には、すでに“鎌倉橋”という字名がついていたと言えるでしょう。
なお、『豊多摩郡誌』は、大正初期の鎌倉橋について、「木造、延長三間、幅員一間」と当時の様子を伝えています。

平成12年3月

 

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