140 下高井戸塚山遺跡 【遺跡】(下高井戸5丁目23番12号)

 

ページ番号1007955  更新日 平成28年1月18日 印刷 

この遺跡は、区立塚山公園敷地一帯を中心とした旧石器時代(約30,000年前)から縄文時代中期(約3,500年前)にかけての集落跡です。
遺跡は、神田川と湧水によって侵食形成された舌状台地上全域に分布しており、遺跡の一部は公園南側の住宅地域にまで広がるものと推定されます。
昭和初期に発見されたこの遺跡は、代々所有者が替わった後も開発を免れ、全国でも屈指の縄文時代中期の環状集落として保存されてきました。
環状集落は数世代から数10世代に亘って同一台地上で転々と地点を移動しながら集落を構成するため、最終的に台地の中央部(祭祀の場)以外は、住居で埋め尽くされてしまう特徴を持っています。また、本遺跡の場合は、数少ない環状集落である上に、台地縁辺部から内側にむかって時代が新しくなる傾向と未調査部分を含め、200基程度の住居址が埋蔵されていることが解りました。
この下高井戸塚山遺跡は、縄文時代中期の環状集落として著名でしたが、昭和59年からの発掘調査では、ローム層中からナイフ形石器を初めとする多数の旧石器時代の遺物が出土しました。特にローム第10層下部から出土した局部磨製石斧とナイフ形石器は、出土位置および形態から推定すると武蔵野台地では最古の石器と思われます。
なお、この局部磨製石斧とナイフ形石器は、杉並区指定文化財とされ、区立郷土博物館に縄文土器とともに展示してあります。

平成4年3月

 

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