93 大宮前新田 【その他】(宮前5丁目5番27号)

 

ページ番号1008017  更新日 平成28年1月18日 印刷 

大宮前新田は、万治年間(1658~60)に開発された新田で、ほぼ現在の宮前地域にあたり、区内では最も歴史の新しい村です。
当時、このあたりは広い原野で、幕府御用の茅の採取地として、千町野と呼ばれていたのを、関村(現練馬区関町)の井口八郎右衛門、高井戸村の河原九郎兵衛らが中心となって開発したといわれています。
新田は、村の中央を東西に走る五日市街道沿いに開発され、間口20間(約36メートル)・奥行250間(約450メートル)の短冊型の土地が、一戸分として割りあてられたといわれ、この土地割りは現在でもその姿を残しています。
典型的な路村として誕生した大宮前新田は、村高が約472石ほどの、区内ではごく平均的な村で、『新編武蔵風土記稿』は江戸後期の村の姿を「日本橋へは行程五里…開発依頼御料所にして…村の広さは東西十八町、南北五町許、民家八十軒、土性は野土にして宜しからす」と記しています。この村も明治22年、新しい地方制度のもとで周辺5ヶ村と合併して高井戸村を結成しました。これにより村の名は、高井戸村大字大宮前新田となり、ついで高井戸町大字大宮前と改称、昭和44年には現在の町名の宮前となりました。
村名の大宮前は、大宮八幡宮の前面の村ということに由来すると言われ、また一説には鎮守春日神社の前の意味で名付けられたとも伝えられています。
なお、この地には春日神社を中心に、里神楽(区指定文化財)・大宮前囃子(区登録文化財)などの郷土芸能が、保存会の人々によって継承されています。

昭和61年1月

 

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