表紙 共生社会しかけ隊と考えた応対解決ヒント集 スポーツ施設編 障害のある方もない方も誰もが暮らしやすい社会を目指して! 1ページ 「もやもや」を晴らすヒント 障害のある方が、あなたのスポーツ施設にいらしたら、どう応対しますか。 「声をかけたほうがいいか」「何をどうすればいいのか」と悩み、なかなか行動に移せず、「もやもや」したことはありませんか。 実は、障害のある方も「どうしたら声をかけてもらえるだろうか」、「説明や誘導をもう少しわかりやすくしてくれたら」などの「もやもや」を感じていることがあります。 この『解決ヒント集』は、障害の有無にかかわらず、誰もが共に生きる社会の実現を目指して、障害者・支援者などと施設職員で結成した「共生社会しかけ隊」が、一緒に話し合うことで、お互いの「もやもや」に気付き、それを晴らす方法を考えた事例集です。 応対に正解はなく、これを覚えれば大丈夫、といった魔法はありません。相手のことを知り、その人に合った支援(合理的配慮)を、対話を通して考える、それが「もやもや」を解決するヒントになります。 今回は、『スポーツ施設』にスポットを当てました。日頃、からだを動かしている方から運動は無縁と思っている方まで、すべての障害のある方が、スポーツ施設を身近なものに感じていただけるために、この『解決ヒント集』をぜひご活用ください。 杉並区   2ページ この解決ヒント集の構成 障害者・施設職員、困りごとはそれぞれ(3ページ、4ページ参照) お互いに何を考えているかわからなければ、もやもやは当たり前。 まずは話し合ってみました「共生社会しかけ隊」(5ページ、6ページ) だからこそ、障害者・施設職員などで「共生社会しかけ隊」を結成し、話し合った。 一緒に考えた解決のヒント(7ページから12ページ) 一緒に話し合ってたら、解決のヒントが生まれ、もやもやが晴れてきた 施設にいらした方への応対の基本は、声かけ、説明、誘導・案内。場面ごとにまとめました。 施設編 誰もが足を運びたくなる施設に(13ページから18ページ) 話し合っていたら、施設面の良かったことや、障害者がスポーツ施設により行きたくなる取組もありました。 資料編(19ページから22ページ) 障害の種類と障害者手帳の種類 障害に関するいろいろなマーク 誘導の基本を知ろう 点字・手話を知ろう   3ページ、4ページ 障害者・施設職員、困りごと(もやもや)はそれぞれ 障害者の「もやもや」 声掛け(声をかけられる時、声をかけたい時障害のある人が感じている「もやもや」の事例) ・耳が不自由なこと、どうやって伝えたらいいんだろう?手話ができない聴覚障害者もいるんだけど。 ・声掛けが必要ないときもあるのになぁ。 ・後ろから急に声をかけないでほしいのに。 ・なぜ、私でなく介助者に声をかけるんだろう? 説明(説明を受ける時や、受けたい時、障害のある人が感じている「もやもや」の事例) ・障害者手帳、なんで見せなくてはいけないのかなぁ。 ・「あそこです」と言われても、どこだか分からない。 ・あの人の説明は、難しい言葉が多くて分からないなぁ。 ・マスクをしていると口の動きが読めないなぁ。 誘導・案内(誘導•案内をしてもらいたい時や、してもらっている時障害のある人が感じている「もやもや」の事例) ・場所のイメージって難しいなぁ。 ・先生の指導、見よう見まねが難しいし、できるかなぁ。 ・多目的トイレに案内された。普通のトイレがいいのに。 ・車椅子で参加できる教室はあるかなぁ。 施設職員の「もやもや」 声かけ(声をかける時、声をかけたい時、施設職員が感じている「もやもや」の事例) ・手話はできないし、声かけするにはどうしたらいいんだろう。 ・いつ、声かけたらいいんだろう。 ・どうやって声かけたらいいんだろう。 ・誰に声かけたらいいんどろう。障害当事者?介護者? 説明(説明をする時や、したい時、施設職員が感じている「もやもや」の事例) ・何から、どう説明すればいいんだろう。 ・目や耳の不自由な人に、どうすればいいかなぁ。 ・割引に障害者手帳の提示が必要なこと、どうやって伝えたらいいんだろう。 ・説明が、ちゃんと伝わっているか不安だなぁ。 誘導・案内(誘導・案内をする時や、したい時、施設職員が感じている「もやもや」の事例) ・教室を案内したいが、安全面が心配。勧めてよいだろうか、 ・どのように、誘導すればいいんだろう。 ・身体の動かし方とか、どうやって伝えたらいいんだろう。 ・障害ごとに誘導は違う?案内中にパニックを起こしたらどうしよう。   5ページ、6ページ まずは話し合ってみました〈共生社会しかけ隊〉 肢体不自由のある方、視覚に障害のある方、聴覚に障害のある方、知的障害のある方、精神障害のある方と施設職員の話し合いはじめは「もやもや」だけど話し合っていると「晴れてくる」。 共生社会しかけ隊とは 障害のある人が地域で生活するうえで関わる様々な場所に出向き、出向いた場所のスタッフ(職員)や支援者とともに「共生社会しかけ隊」を結成し、一緒に話し合い、それぞれが感じている困りごとを共に工夫して解決するという取組です。対話を通して解決した事例を「解決ヒント集」としてまとめ、広く周知していきます。 令和4年度は、「スポーツ施設」を対象に実施しました。今後も様々な場所に展開していきます。 令和4年度の取り組み ・施設職員へのアンケートの実施 ・共生社会しかけ隊委員の施設訪問・体験 ・施設別での共生社会しかけ隊意見交換 (6施設ごとに実施) ・共生社会しかけ隊全体での話し合い 共生社会しかけ隊に参加した区立体育館(6施設) ・大宮前体育館 ・荻窪体育館 ・高円寺みんなの体育館 ・TAC杉並区永福体育館 ・TAC杉並区上井草スポーツセンター ・TAC杉並区妙正寺体育館   7ページ、8ページ 声かけ編 声をかける、かけない?どうやって?~一緒に考えた解決のヒント~ 「誰に?」 誰に声かけたらいいんだろう。障害当事者?介護者? ・声をかけるときには、まずは介助者でなく私に。 ・「何かお手伝いしましょうか」の声かけは助かる。 ・自分に声をかけてもらえると、なんか受け入れられた気がする。 ・施設職員だけでなく、知らない利用者の方に声をかけられて、うれしかった。 「いつ?」 いつ、声かけたらいいんだろう。 ・いつでも、声をかけてくれると助かる。 ・声をかけてほしくない時や、声をかけてほしくない人もいる。あいさつだけで様子を見てほしい。 ・壁などに、「いつでも声をかけてください」と掲示してあると、自分から声をかけやすい。 ・職員とわかりやすい服装や名札だと、必要な時に声をかけられる。 「どうやって?」 どうやって声かけたらいいんだろう。 ・困りごとをうまく伝えられないので、一緒に考えてくれるとうれしい。 ・普段から世間話ができる感じだと、自然に声をかけられる。 ・たとえ配慮に欠けた応対があっても、一緒に考えてくれる。 ・気持ちが伝われば、不快感はないので、まずは、声をかけてほしい。 「方法は?」 声かけするにはどうしたらいいんだろう。 ・近くによって声をかけてほしい。名乗ってほしい。 ・挨拶して体育館に入ると、必ず受付の方が挨拶を返してくれるので、視覚に障害があっても、そこに職員がいることはわかる。 ・聴覚に障害のある方は、聞こえ方がそれぞれのため、手話、筆談、コミュニケーション支援アプリ(UDトークなど)など、それぞれにあわせた応対をしてほしい。 ・あいさつ程度の手話でも使ってくれると、理解しようとしてくれる気持ちが伝わりうれしい。 なみすけのコメント「気持ちが伝われば大丈夫なんだ。まず声をかけてみよう。」 ナミーのコメント「でも、声をかけてほしくない時もあるんだね。」 解決方法は、人によって違うこともあります。  9ページ、10ページ 説明編 大事な ルールなどを、どう伝えよう~一緒に考えた解決のヒント~ 「どんなふうに?」何から、どんなふうに説明すればいいんだろう。 ・初めて利用するときは、更衣室、トイレなど施設全体を案内してくれるとわかりやすい。 ・筆談は時間がかかるので、あらかじめ施設の案内図、簡単なルールなどをまとめたものを用意しておいてはどうか。 ・萬内案内やパンフレットなどは、写真、絵、マークを入れた方がわかりやすい。文章もできる限り、短文で、箇条書きの方がいい。 ・視覚に障害のある方や知的に障害のある方は、「ここ、そこ、あそこ」の指示語だと何を指しているかわからないから、「この記入用紙に」など具体的に説明してほしい。 ・「危ない」ではなく、どう危ないか具体的に伝えてほしい。 「どうすれば?」説明が、ちゃんと伝わっているかなぁ。 ・土足禁止や飲食禁止エリアがあれば、事前に教えてほしい。そうすれば、伝わっていることを確認しておける。 ・知的障害者の場合、説明したことがどこまでわかっているか、親でも、支援者でもわからないこともある。 ・すべてを伝えることより、まずは人に迷惑をかけることや、危険があるような大事なことを、わかりやすくしっかり伝えてほしい。 「方法は?」耳や目の不自由な人に、どうすればいいかなぁ。 ・設備紹介、ルール(規則)など大事なことは、簡単な言葉で目立つところに貼ってあるといい。 ・視覚に障害のある方は「ジムではマスクをつける」などの大事なことが紙で貼ってあっても見えないので、言葉で伝えてほしい。 ・聴覚に障害のある方は、貸出時間終了前のチャイムに気が付かない。タイマー付きのフラッシュライトの貸出などがあるといい。 ・聴覚に障害のある方は、アナウンスが聴こえないので、入場可能な時間になったらスタッフから声をかけてもらえると助かる。 減額手続きには手帳が必要。見せたくない障害者に、どうする? まずは見せたくない理由を知ろう ・精神障害のある方は手帳を見せたがらない人が多い。手帳を持っていることを知られて、地域生活が送りづらくなるのでは、就職ができなくなるのでなど、いろいろ不安を感じる。 ・なんのために見せるの力\見せても不安にならないような応対をしてほしい。受付でわからなくて事務所の中の職員に聞きに持っていかれると不安になる。 少しでも不安を取り除くために ・手帳の提示は、初めの手続きだけで次回からはカードで、そのカード作成のために確認するだけということを具体的に伝えてほしい。 ・相談ブースで対応したり、ファイルに挟むなど、見えない工夫などの配慮した手続きをしてはどうか。 ・窓口の人誰もが、手帳の種類などの知識を持ち、不安にならない対応を心掛ける。 見せないで減額しない選択肢もある ・一般料金を支払うのも本人の選択。見せなくてもいいが、その場合減額にならないことを説明する。 ナミーのコメント「いろいろな思いや困りごとがあったんだね」 なみすけのコメント「わかりやすい案内があると、慣れてない職員も説明しやすいね」 お互いの困りごとを知ることが解決の第一歩に。   11ページ、12ページ 誘導・案内編 教室に安全に参加できるようになど~一緒に考えた解決のヒント~ 「どのように?」どのように誘導すればいいんだろう。 ・はじめは、行きたい場所にスタッフが同行してくれるとありがたい。 ・館内図、写真など具体的にわかりやすいものを使っての誘導がうれしい。 ・車椅子使用者、杖使用者などの肢体不自由のある方には、段差がないところやエレベーターを案内してほしい。 ・視覚に障害のある方は、白杖を持っていない手側に立つ、ひじをつかませてくれる、段差があれば伝えるなどが基本的な誘導。急に引っ張る、背中を押すなどはやめてほしい。 ・うまく誘導できなくても、慣れないうちはあたりまえだから、あきらめないでほしい。 「どこに?」障害ごとに誘導は違う?案内中にパニックを起こしたらどうしよう。 ・視覚に障害のある方は、バリアフリートイレは広くて好まない人が多い。一般のトイレを案内し、まずは流すボタン(レバー)の位置を説明してくれると助かる。 ・パニックを起こしたときは、そっとしておいてほしい。空いている部屋などでクールダウンさせてもらえたらうれしい。付き添いの方にアドバイスを求めるのもよい。 「どうやって?」教室を案内したいが、安全面が心配。勧めてよいのだろうか。 ・まずは、「参加してもいいんだよ」、「とりあえず参加して」という雰囲気があると良い。 ・できる、できないは当事者自身も判断していきたい。 ・運動をする障害者と一緒に行うことで、スタッフが応対に慣れてくれると嬉しい。 ・プログラムで、安全配慮の面を考えるときに、当事者を入れて考えてみてはどうか。 「方法は?」身体の動かし方とか、どうやって伝えたらいいんだろう。 ・教室中も、意識的に言葉で説明してくれたり、「あっています」と声をかけてくれる配慮がうれしい。 ・教室に参加するとき、少し早く来ていたら、講師の方が、事前に今日のポイントなど、話してくれた。 ・ヘルパーと一緒にプログラムに参加してもらい、サポートしてもらった。 ・講師だけでなく、アシスタントのいる教室を選ぶと安心して参加できる。 ・聴覚に障害のある方は、コミュニケーション支援アプリ(UDトークなど)や画面投影など内容が視える工夫があると嬉しい。 なみすけのコメント「ヘルパーと一緒に参加、アシスタントのいる授業など、いろいろな方法で教室を案内できる!」 ナミーのコメント「あきらめないことが大切なんだね」 解決方法は、人にあわせていろいろあります。   13ページ、14ページ 施設編 誰もが足を運びたくなる施設に 受付 ・聴覚障害者の受付ができるよう、筆談ボード、耳マークをわかりやすいところに設置する。 ・声を出して受付の人を呼べないので、受付にベルのようなものが置いてあると良い。 ・受付には、車椅子を使用している方も手続きしやすいよう低い高さのカウンターがあるといい。 ・受付で必ず聞くことが書いて貼ってあると助かる。 ・申込手続きなどで必要なものが、事前に用意できると嬉しい。 ・申請などで、文字の記入に困っているときは、声をかけて代筆のお手伝いも助かる。 ・車椅子、補装具は着脱が難しい。そのまま入れるよう、入口に椅子と雑巾があり、拭いて入れると嬉しい。 ・車椅子の洗浄機があって助かった。 施設案内 ・大きくはっきり、ふりがなのある案内表示があるといい。 ・館内図などで、現在地、ルート、行先を指しながら案内してくれるとわかりやすい。 ・床に引いた行き先別に色分けした線やラミネート加工の手持ちの館内図は、障害者に限らず、喜ばれた。 ・教室スケジュールなどのわかりやすい案内。 緊急時の対応 ・緊急放送が聞こえないので、危険を知らせるフラッシュライトがあるといい。なければ、 メッセージボードなどで職員が伝えるなど。 「東京都障害者スポーツ協会、障害者のスポーツ施設利用促進マニュアル」が新しくなりました ・東京都と東京都障害者スポーツ協会では、平成27年度に、障害のある人がスポーツ施設を使いやすくなるようにまとめた「障害者のスポーツ施設利用促進マニュアル」を作成し、各施設で活用いただいてきました。 ・その後、東京2020大会の開催、スマートフォンを使ったコミュニケーション方法の拡大など、障害者スポーツやスポーツ施設の環境が大きく変わってきています。このため、各スポーツ施設が取り組んでいる最新の事例をこのマニュアルに加えて、新しくしました。 ・このマニュアルでは、大きな工事を必要としない、施設スタッフによるコミュニケーションの方法や、簡単にできる工夫など、障害のある人への思いやりのある取組みを中心に紹介しています。 ・障害のある人が使いやすい施設ということは、障害の有無に関係なく、子供からお年寄りまで、誰にとっても優しい施設だと言えます。このマニュアルカ\誰もがスポーツを楽しむために役立てていただければ嬉しいです。   15ページ、16ページ 施設編 誰もが足を運びたくなる施設に トレーニングルーム ・まずは、有酸素・筋トレなど、なにがあるか配置を一通り案内するとイメージしやすい。 ・トレーニング器具の利用方法は、イラストなどでわかりやすく説明したパンフレットやパネルが掲示してあるといい。 ・車椅子の方にも見やすい位置にわかりやすいパネルを置く。説明書きは箇条書きなどで端的に。 ・パネルがあると、インストラクターも説明がしやすくなる。 ・はじめてでも、わかりやすい利用の仕方の映像が流れていたり、使い方を教えてくれる講座があるのもいい。 視覚障害者には、器具と通路をテープでわかりやすく案内する、器具に最低限の点字がほしい。 トイレ ・男女トイレの案内だけでなく、車椅子対応のトイレの案内も、わかりやすいように。 ・オストメイトの設備を備えていることもわかると助かる。 なみすけのコメント「施設面も人の応対で解決できることも多いね」 更衣室 ・異性介助で使える更衣室があるといい。(家族全員で着替えられるファミリーチェンジングルーム) ・異性介助の更衣室がない場合でも、別の部屋で代用するなど柔軟な応対が助かる。 ・車椅子を使用している方が使いやすいロッカーの設置。 ・ロッカーや、そのカギはタイプがいろいろ。初めての時は、職員が説明したほうがいい。 障害者用駐車場 ・駐車した車に掲示する「利用許可証」を受付に取りに行っておくのが大変。小窓やインターホンなどで問い合わせができると良い。 ・障害者用の駐車場にコーンが置いてあるが、車椅子などの肢体不自由のある人はコーンをどかして、また運転席に戻るのが大変。連絡したら施設職員がどかしてくれるなど、応対してくれたらうれしい。 車に表示するマーク 身体障害者標識(身体障害者マーク) 肢体不自由であることを理由に運転免許に条件を付された方が車に表示するマークです。やむを得ない場合を除き、このマークをつけた車に幅寄せや割り込みを行った場合には、道路交通法違反となります。 聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク) 政令で定める程度の聴覚障害のあることを理由に運転免許に条件を付された方が車に表示するマークです。やむを得ない場合を除き、このマークをつけた車に幅寄せや割り込みを行った場合には、道路交通法違反となります。   17ページ、18ページ 取組編 誰もが足を運びたくなる施設に 「様々な障害のある方に利用してもらい、職員の応対する機会が増えること」が一番の解決方法との声。そこで、障害者がスポーツ施設に足を運びたくなるヒントを考えました。 ・スポーツ施設に障害者施設利用者の作品を展示してもらい、みんなでスポーツ施設に観にいった。初めての場所が不安な障害者には、いいきっかけになった。 ・個人で、予約なしで、いろいろな種目ができるような時間があると、スポーツ施設に行くきっかけになる。誰もが参加しやすいメニューを工夫してほしい。 ・エレベーターがある、段差がないなど、駅から施設にいくまでの案内の地図があると便利。誘導してくれる人がいると行きやすくなる。 ・障害を特別視しないで、一般利用者と同じように「スポーツは楽しい」を伝えてほしい。 ・障害者自身も参加できる方法を考えることがスポーツ施設をうまく利用するためのポイントだと思う。 2025年11月デフリンピック東京で開催 2022年オーストリアでの国際ろう者スポーツ委員会総会にて、東京が2025年デフリンピックの開催地となることが決まりました。11月15巳-----26日、全21競技が行われる予定です。 大会の特徴 第一回の大会は1924年に夏季大会がフランスで、冬季大会は1949年にオーストリアで行われました。特徴は、運営をろう者自身が行うことと、参加者のコミュニケーションは国際手話で行うことです。参加資格は、良耳の聴力が、55デシベル以上の聴力損失している人、大会競技中は、補聴器・人工内耳を使用しません。 合図は、視覚的に分かるように、陸上では、スタート地点のレーンに、水泳競泳の背泳ぎは、ス夕ートする壁面に、自由形、平泳ぎ、バタフライは、飛び込み台に設置されたスタートランプがその役目を担っています。また、ターンをする競技の場合は、最後のターンをする際、審判が水面を棒で叩いて知らせることになっています。 心の通った人的応対が、そこかしこで行われる大会になることでしょう。 区の取組の紹介「ユニバーサルタイム」 障害のある方がスポーツ・運動に親しむきっかけづくりの場として、身近な体育施設で定期的に体育施設で軽い運動やウォーキング、ボール遊びなどのプログラムを実施しています。 令和5年度は、荻窪体育館、TAC杉並区上井草スポーツセンターの2施設で実施。 将来的には区内各体育施設で実施する予定です。 ・参加者は障害の種類・程度、本人希望に応じて好きなプログラムを選択し、自由に運動・スポーツが可能 ・事前申し込み不要、入退場自由、見学のみもOK ・誘導サポーターが最寄り駅と体育施設の往来を道案内 ・理学療法士、看護師が常駐。実技サポーターが参加者と一緒に体を動かして楽しむ ユニバーサルタイムは「障害者スポーツネットワーク」で、障害当事者や関係者が話し合って企画しています! 体育施設のある各地域のニーズに合わせて、どのような取組が必要かを障害当享者や関係団体等が企画・検討し、実施に向けてさまざまな観点で具体化を囮り取 組につなげていきます。 会議には体育施設職員も出席し、施設運営に関する意見を現場に生かすしくみになっています。 「ユニバーサルタイム」の窓口は、杉並区区民生活部スポーツ振興課 なみすけのコメント「障害者が利用しやすくなるということは、こどもも、高齢者なども誰もが利用しやすい施設につながるね」 ナミーのコメント「それって、障害のある方だけのための特別な応対だけではないということだね」   19ページ、20ページ 資料編 障害の種類 視覚障害 視力や視野等の視機能に障害があり、見ることが不自由又は不可能になっている状態です。 視覚障害のある人は眼鏡やコンタクトレンズを使って矯正しても、十分な視力を得られません。視覚障害は「盲」と「弱視」に分けられます。 聴覚障害 聞こえの程度や聞こえなくなった時期により「ろう」「中途失聴」「難聴」があります。外見からは困っていることがわかりにくいため、周囲から誤解されることも多くあります。聞こえの程度や、コミュニケーション方法、使用言語は人それぞれであるため、個別に配慮が必要です。 肢体不自由 事故による損傷や先天性の疾病などが原因で、上肢・下肢に欠損やまひ、筋力低下などが生じています。そのため、日常の動作や姿勢の維持が不自由になります。 知的障害 18歳くらいまでの発達期において、知的な能力が年齢相応に発達していないため、特別な援助を必要とする状態です。理解や判断、他人との意思の交換、日常生活や社会生活などの適応が困難な場合などがあります。ただし、その状態は、磯境的・社会的条件や経験で変わる可能性があると言われています。 発達障害 障害の困難さも目立ちますが、優れた能力が発揮されている場合もあります。このアンバランスな様子を周りの人に理解されにくい障害です。養育環境ではなく、脳の機能障害によるもので、どんな能力に困難さがあるか、またどのくらいの程度なのかは人によってさまざまです。 精神障害 精神疾患のために精神機能が障害され、日常生活や社会参加が困難となっている状態のことをいいます。病状が悪化すると、判断能力や行動のコントロールが難しくなることがあります。精神疾患についての正しい知識が十分に普及していないため、誤解や偏見、差別の対象となりやすく、社会参加が妨げられがちです。 障害者手帳の種類 1、身体障害者手帳 身体の機能に一定以上の障害があると認められた人に交付される手帳 2、愛の手帳(東京都)、国では療育手帳 児童相談所又は知的障害者更生相談所において、知的障害があると判定された人に交付される手帳 3、精神障害者保健福祉手帳 一定程度の精神障害の状態にあることを認定された人に交付される手帳 障害に関するいろんなマーク 障害者のための国際シンボルマーク 障害のある方が利用しやすい建築物や公共輸送機関であることを示す、世界共通のマークです。車椅子を利用する方だけでなく、障害のあるすべての方のためのマークです。 盲人のための国際シンボルマーク 世界盲人連合で1984年に制定された世界共通のマークで、視覚障害者の安全やバリアフ リーに考慮された建物・設備・機器などにつけられています。信号や音声案内装置、国際点字郵便物、書物、印刷物などに使用されています。 耳マーク 聴覚に障害があることを示し、コミュニケーション方法に配慮を求める場合などに使用されているマークです。また、自治体、病院、銀行などが、聴覚障害者に援助をすることを示すマークとしても使用されています。 手話マーク 全日本ろうあ連盟が策定した、誰にでも一目でコミュニケーション手段のわかるマークです。対象は、ろう者等、手話言語を必要としている人です。当事者からの提示は「手話言語で対応をお願いします」、窓口等での掲示は「手話言語で対応します」、「手話言語でコミュニケーションできる人がいます」等となります。 筆談マーク 全日本ろうあ連盟が策定した、誰にでも一目でコミュニケーション手段のわかるマークで す。対象は、筆談を必要としている人、(ろう者等、音声言語障害者、知的障害者、外国人なども含みます。)です。当事者からの提示は「筆談で対応をお願いします」、窓口等での提示は、「筆談で対応します」となります。 オストメイトマーク オストメイト(人工肛門・人工膀胱を造設した方)を示すシンボルマークです。オストメイト対応のトイレ等の設備があることを示す場合などに使用されています。 ハート・プラスマーク 内臓に障害のある方を表しています。心臓疾患などの内部障害・内臓疾患は外見からは分かりにくいため、様々な誤解を受けることがあります。そのような方の存在を視覚的に示し、理解と協力を広げるために作られたマークです。 ヘルプマーク・ヘルプカードを配布しています ヘルプマーク 義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としていることが外見から分からない方のためのマークです。身に着けている方を見かけたら席をゆずる、困っているようであれば声をかけるなど、思いやりのある行動をお願いします。 区の配布場所、障害者施策課・各福祉事務所・各保健センター ヘルプカード 障害のある方が困ったときに、必要な支援や配慮を周囲の人に伝えるためのカードです。緊急連絡先や必要な支援内容を記載し、普段から身につけておくことで、緊急時や災害時などに周囲の手助けを求めやすくなります。 区の配布場所、障害者生活支援課 障害者生活支援サイト「のーまらいふ杉並」からダウンロードもできます。   21ページ、22ページ 資料編 誘導の基本を知ろう 足や腰が悪い方には 自走式標準タイプの車いすの押し方 ハンドクリップを握り、重心を安定させ、からだ全体で押すようにします。押し始める際には、「進みます」「では押します」などと声をかけてください。 ブレーキ(ストッパー)のかけ方 車いすの背面から側面にかけて立ち、片手でハンドグリップを握りながら、もう一方の手でブレーキ(ストッパー)をかけます。反対側もハンドグリップを放すことなく、ブレーキ(ストッパー)をかけます。 キャスター上げ ティッピンクバーを踏み込むと同時に、ハンドグリップに体重をかけ、押し下げます。素早く安定させることが安心につながります。 キャスター上げでの移動 ハンドグリップをしっかりと握り、ふらつかないようにバランスを取りながら、前に進みます。 視覚障害のある方には 正面から見た基本姿勢 相手の横半歩前に立ち、常に二人分の幅を確保しながら誘導します。 背もたれの確認 目の不自由な方は、背もたれにさわることで位置や向き、いすのタイプなどを判断することができます。 ヒジや肩、手首をつかんでもらう場合 相手のヒジの角度が90度くらいになることで、互いの位置を適度な間隔に保つことができます。持たれているヒジは、体側に軽く付けてごく自然にし、腕はあまり振らないようにします。相手の背が高い場合には、ご本人に確認した上で、肩をつかんでもらっても良いでしょう。また、逆に、相手が子どもであったり、極端に背が低い場合には、手首のあたりをつかんでもらっても良いでしょう。 点字を知ろう 点字とは? ・点字は、縦3点、横2列の六つの凸点の組み合わせによって構成されている文字です。 ・点字は、6つのそれぞれの点が、凸になっているかいないかの64通りの組合せで文字を表現します。 ・点字は、横書きで、左から右方向へ凸面を読んでいきます。 ・点字は、基本的には母音と子音の組み合わせ50音を構成しており、ローマ字の構成と似ています。 手話を知ろう 手話とは? 聴覚に障害がある人たちにとって、お互いどうしの、あるいは聞こえる人とのコミュニケーション手段で、手で表し目で見ることばです。   裏表紙 杉並区の障害者に関する情報は 区が行っている障害者に関するサービスを中心とした相談窓口や日常生活を支援する事業などについては、障害のある方への生活支援サイト「のーまらいふ杉並」、冊子版「障害福祉のしおり」をご覧ください。 冊子版の「障害福祉のしおり」 区の窓口で配布しています。令和5年版からは、デジタルブック版(のーまらいふ杉並に掲載)を作成しました。最新情報はそちらをご覧ください。 障害者の相談窓口は 障害者地域相談支援センター(すまいる)では、区内在住・在勤の方を対象に、障害者手帳の有無や障害種別に関わらず、広く地域の障害者や家族等の生活全般に関する相談を行います。 すまいる荻窪 住所、〒167-0051、杉並区荻窪5-20-1、杉並保健所2階 電話、03-3391-1976 FAX、03-3391-1012 定休日、火曜日・祝日・12月29日から1月3日 すまいる高円寺 住所、〒166-0003、杉並区高円寺南2-24-1、杉並福祉事務所高円寺事務所4階 電話、03-5306-6381 FAX、03-5306-6383 定休日、月曜日・祝日・12月29日から1月3日 すまいる高井戸 住所、〒168-007、杉並区高井戸東4-10-5、杉並障害者福祉会館3階 電話、03-3331-2510 FAX、03-3332-1815 定休日、第3以外の火曜日・第3月曜日・祝日・12月28日から1月4日