令和5年7月12日 区長記者会見

 

ページ番号1088774  更新日 令和5年7月29日 印刷 

令和5年7月12日(水曜日)開催の「区長記者会見」について、会見の様子をYouTube(ユーチューブ)杉並区公式チャンネルでご覧いただけます。

冒頭の区長コメント

皆さま、こんにちは。それでは、これより記者会見を始めます。
本日は、私が区長就任前から公約として掲げてきた、学校給食費の無償化についての話をメインに、他のいくつかの公約の取り組み状況についても合わせてお話しさせていただきます。

まず、給食費の無償化についてですが、杉並区におきましても、本年10月から、区立小中学校における給食費無償化を実施するために、次の第三回区議会定例会に必要な経費を補正予算案に計上することといたしました。
思えば、私が学校給食費の無償化を公約に掲げて区長に当選した1年前は、無償化を実施している基礎自治体は全国的にも極めて少なく、人口規模の大きい特別区においては無償化の気運は乏しい状況でした。しかし、そうした状況はこの1年で一変しました。今年の首相年頭記者会見において「異次元の少子化対策に挑戦する」との発言があり、3月にはこども・子育て政策の強化をまとめた試案の中で、学校給食費の無償化に向けて課題の整理を行う考えが示されました。その後行われた統一地方選挙においては、給食費無償化を公約に掲げる区長候補者が複数当選し、現在、無償化を実施、又は、実施方針を打ち出している区は合わせて19を数える状況となっています。
当区においては、昨年11月に、教育委員会事務局内に検討委員会を設置し、学用品費や給食費など就学に必要な経費の軽減のあり方について検討を進めてまいりました。本年3月に実施した保護者アンケートでは、教育費に負担を感じている世帯が81%に上る結果となり、検討委員会において「保護者の負担額が高く、より多くの児童生徒が対象となって公平に給付できる学校給食費の無償化が、望ましい支援策の候補に適している」との検討結果をまとめています。
こうした中で、私としては、速やかに無償化を実現したいという思いを一層強く持つようになりましたが、その一方で、給食費を含む義務教育費の無償化は、本来、国において全国一律に実施すべきことであり、区で実施するとしても、それはあくまでも国による対策が講じられるまでの間における暫定的な措置であるべきとの考えがありました。そのため、この間、国の動向を注視してきたところですが、先日、国は「こども未来戦略方針」を決定し、その中で「無償化の実現に向けて実態調査を速やかに行い、その上で具体的方策を検討する」と、無償化の実現に向けた道筋を示しました。これを受け、私は杉並区において、令和5年10月から令和6年3月までの区立学校の給食費を無償化すべく、補正予算案を提出することといたしました。

私が、区長に就任したのは、昨年の7月11日です。それから満1年が経ち、2年目のスタートを切るこのタイミングで、区民の皆さまにこの決断をお伝えできることを心からうれしく感じています。
結果的に他区に後れを取ることになりましたが、「対話の区政」を掲げる私としましては、保護者を対象としたアンケート調査に加え、区政を話し合う会「聴っくオフ・ミーティング」で区民の方と直接意見交換を行い、庁内においても議論を積み重ねてきたこれまでの時間は、とても意味のある時間だったと考えています。

さて、この1年を振り返ると、区民、区議会議員、職員など多くの方々と課題を共有し、議論を深めていくための情報提供と対話に多くの時間とエネルギーを充ててきました。まちづくりや区政課題についての対話集会やシンポジウムの開催、それらの動画配信、計画改定に係る区民意見の募集と速やかな公表、施設再編を行う地域での住民説明会の開催や主要意見の公表など、区民等が区政情報に触れ、区のイベントに参加し、区政に意見する場は格段に増えました。
こうした区民参画の取り組みをさらに加速すべく、区民が予算編成の過程に直接参加することで、区の財政を身近に感じ、区政への積極的な参加を促進することを目的とした「参加型予算」や区民が気候変動対策について学び、議論をする中で出た意見やアイデアを区の施策に生かしていくための「(仮称)気候区民会議」についても実現に向けて着々と準備を進めています。「参加型予算」については、すでに6月15日から事業提案の募集を開始しています。

また、選挙戦で大きな争点となっていた、区立施設再編整備計画についても、これまでの取り組みの検証作業を精力的に行っています。施設利用者等を対象としたアンケート調査やヒアリングのほか、有識者からの意見聴取などを行いました。現在は7地域で順次、今後の再編整備の方向性についての意見交換会を実施しており、そこでは今後の施設整備のあり方や、計画決定のプロセスをどうするのがいいか、職員と区民の活発な話し合いが行われています。8月にはシンポジウムも開催します。これらを踏まえ検証結果をまとめ、今年度実施する区立施設再編整備計画の改定に反映してまいります。

また、指定管理者制度についても検証作業を進めています。無作為抽出の区民に対するアンケート調査や指定管理者制度を導入している施設の利用者に対する調査、有識者からの意見聴取、区政を話し合う会「聴っくオフ・ミーティング」での意見交換などを行い、「制度導入当初に期待していた効果が得られているか」等の検証を進めています。私は、決して民間活力の導入を全面的に否定するものではありません。指定管理者が雇用する従業員の労働環境確保などの問題も含め、より良い施設サービスの安定的・継続的な提供を担保していくためにはどうしたらいいか、といった観点から、今後の指定管理者制度の活用に関する方針を定めていきたいと考えています。

以上、給食費の無償化に加え、その他の公約に関する取り組み状況についても簡単に説明させていただきました。
任期2年目に入りましたので、今後とも公約の実現、そして区民福祉の向上に向けて着実に歩みを進めてまいりたいと考えております。

私からの説明は以上となります。ありがとうございました。続いてご質問をいただいてお答えする時間にしたいと思います。

記者質問

広報課長
それではここからは、皆さまのご質問をお受けいたします。なお冒頭にお願いしましたとおり、記者会見はご要望を受けたり、単にご自分の意見を表明する場ではございませんので、重ねてご留意をお願いいたします。ご質問の時間は2分間として区切らせていただきますので、よろしくお願いいたします。それではご質問のある方はご挙手お願いいたします。

記者
朝日新聞の笠原です。給食無償化について伺いたいのですが、現時点で来年度以降の継続についてはどのように考えていますでしょうか。

区長
来年度以降に関しましては、来年度の当初予算の編成のときにしっかりと検討していきたいと思います。

記者
どういったことを念頭に判断していくのでしょうか。何を基準にとか、国の動向ということなのかもしれませんが、何を検討して判断していく感じですか。

区長
国の動向ももちろんそうですが、財政において言いますと、次の第3回定例会で、令和4年度の決算剰余金の状況などもしっかりと見極めながら、区が定めている財政健全化の取り組みをしっかりと保持した上で、基金に積むものは積み、なお残りの部分を財源に組み込むなどして、補正予算を編成します。その状況を念頭に置きながら、来年度に関しては当初予算の編成でその継続的な実施が可能かどうかということを検討していくということです。

記者
ありがとうございます。もう1点関連してなんですが、都内で19の区がもう既に実施または方針を打ち出しているということで、杉並区が20区目になると捉えていますが、杉並区がこれまでできなかった理由・要因というのはどのように考えていますか。

区長
これは前にも申し上げたかもしれませんが、給食費の無償化というのは、まず金額が大きいですし、今だけやって今後はできないということができるだけないように、国の動向を見て実施するというのは、まさにそういうことなんです。国が実施していくまでの移行期間だとしても、いつ、とは言えない中で、しっかりと財源を確保していくということ。今年度に関しては、それが明確に見えたという今のタイミングで、そして来年度においても当初予算を組むときにもう1回、改めて見ますが、やはり大きな点は財源の確保だと思います。

広報課長
それでは、次の方。

記者
フリーランスの亀松です。先ほどもお話の中で、施設再編整備計画の検証状況についてのお話がありましたが、それに関連して、天沼・本天沼地域の区立施設の再編整備計画、先の第2回定例会で問題になった点についてお伺いしたいと思います。このテーマについては、区民生活委員会では否決、ただ、本会議では一転して可決という、ある意味ねじれた結果となりまして、非常に拮抗した状況だったんですが、この点に関して2つお伺いしたいと思います。まず1点目は、このテーマについては、昨年の区長選でもテーマになっておりまして、岸本区長は住民合意のない区立施設の統廃合については見直すという公約を掲げられておりました。しかし、今回、この本天沼のゆうゆう館については、廃止するということで、そういう条例改正案を出して、それが可決されたということですが、この点については公約と違うのではないか、公約違反ではないかという指摘も出ています。この点についてお伺いしたいと思います。もう1点が、4月の区議会選挙との関係です。岸本区長は区議選において共産党とか立憲民主党とか、その他の10人以上の候補と政策合意書を結んで、その候補を応援して、そのかなりの人たちが当選しています。しかし、今回の施設再編整備計画に関するこの本天沼に関してですが、条例改正に関してはその多くの人たちが、反対をするということがありました。この点についてもある意味ねじれがあったと思うんですが、この点について。応援していた人たちが反対したということについて、どのようにお考えになっているでしょうか。以上2点についてお伺いしたいと思います。

区長
まずは天沼・本天沼地域の施設再編成において合意のないものを見直すと言っていた公約にもかかわらずというご質問ですが、ご指摘のように見直すという大きな方針を掲げていましたが、その中でも行政需要があるものや、すでに計画が進んでいるものについては続行するという線引きを行いました。それ以外のものに関しては見直すことができるということを就任してから申し上げましたが、天沼・本天沼地域におきましては児童相談所を建設し、新しく開設する予定もございまして、それだけではないのですが、その他さまざまな計画が進行していたこともあり、計画どおり実行するという苦渋の決断をいたしました。それにおいて委員会で否決、本会議で可決というねじれた結果と言っていただきましたが、そのとおりです。これについても、区長が変わって1年ですが、今までの施設再編整備計画というのは非常に長期的な計画であり、これを急に変えることができないのと同様に、やはり議会でも今までの議論の経緯や予算、計画を承認してきたり、その都度予算を承認してきたという経過がありますので、議会においても急に方向転換をできないというのは当然だと思っております。物事が変わるときというのはやはりプロセスがありまして、それは徐々に少しずつ進む上で、ねじれの時間があることは致し方ないと思っておりますし、これはむしろ自然なことではないかと考えています。そういう点におきましては、2点目の質問にもかかわりますけれども、私と政策合意を結んで、もしくはその選挙において協力した政党の議員たちと意見が今回分かれてしまったことについても同様で、何か物事を変えるというときにおいて、全員が同じ方向を向くことはできない、それでもその先にある将来を議論していくことを始めることでしか、未来をともにつくっていくという、これは区民もそうですし、議会もそうですし、区役所の中もそうだと思っています。その変更の、トランジション移行期のプロセスだと私は考えています。

広報課長
それでは、次の方。

記者
読売新聞の浜田と申します。今回任期2年目に当たってという形で、先ほど振り返り模索もされていたかと思うんですけれども、この1年を振り返って岸本区長が対話をされてきた形ですけど、逆に実現できなかったことですとか、課題として反省されていること、また、区長自身だけではなくて、その仕組みとして区長が課題だなというふうに感じたようなことがあれば、そちらを教えていただければと思います。

区長
実現できなかったことは、ないのかなと思っています。と言いますのは、公約全てをどう実現していくか、いつ実現していくかという課題だと思っているので、これはもうできませんでしたと諦めているものはありません。ですので、それはこれからどのようにやっていくかという課題だと思います。課題はもちろん、たくさんあります。例えば施設再整備計画に関して言えば、今まではこの区の中で一番合理的だと思うことを計画に決めて、そして各地域が公平になるように施設の配分とかが公平になるようにと、比較的画一的な再編という形で提案をして説明をするというやり方でしたが、ここに課題があったので、ということは明らかだと思います。実際に、先週から今週にかけて7地域で住民との意見交換会をやっておりますが、そこで本当に各地域でたくさんの言葉が交わされていますけれども、やはりそれぞれ地域特性や歴史が違ったり、思いが違ったりしております。そういったことを反映して、職員と住民が共に話し合ってこの計画そのものをつくっていく、課題を共有していく。そういったことができるのではないかということが、今、意見交換会で話されており、きっと今までの課題が今後の新しいやり方につながっていくという感触を、私も、そして恐らく意見交換会に来てくれた住民も、そしてそれに参加している職員も少しずつ感じているところなので、私は、課題は未来につながっていると思っています。

記者
もう1点。2年目になりますけれども、そこでの具体的な目標とかビジョンみたいなものはありますか。

区長
2年目の目標ですね。今、1年目というのは本当に、対話の区政への種をまいてきたというふうに思っています。その種の芽が、と言うよりは土壌づくりというのをこれからもずっとやっていかなければいけないと思っています。その土壌づくりというのは、やはり先程申し上げたように、私が、そして職員が地域に出ていって、そして区民がこの対話を通じて区政に参画するということの意味とか、それを考えるきっかけをどれだけつくっていくかということだと思うんですけど、その土壌づくりを続けていきます。でもその土壌の中では芽が育っていかないといけないと思いますので、この芽に関しては2年目に関しては先程申し上げたように、例えば気候区民会議の実施や開催が始まったり、施設再編成もこれから計画の見直しということになっていきますので、そういった今までの芽をしっかり育てていくのが2年目の課題だと思います。

広報課長
それでは、次の方。

記者
女性と子どもの権利を考えまちづくりにいかす杉並の会の青谷と申します。質問を2つさせていただきます。区長、区政の軸である対話について、スタンス及び、実践状況について2つのテーマで質問させてください。1、区長は、投票されなかった人や批判的な人の意見をより意識的に聞き、理解を深めたい、幅広く住民の声を聴くことに最大の努力をしたいと発言されてきた。その発言は今も変わらないか。2、今年3月区長提案で条例提案された性の多様性についての質問です。本テーマは政府のLGBT理解増進法が国でも通過しましたが、その過程で性自認についての問題点に焦点が当たり、非常に国会でも紛糾し、国民の中でも問題が起き、杉並区でも同様の分断が起きている。この問題が起きている大きな理由がトランスジェンダーと女性の権利の衝突があるということはマスコミにも広く取り上げられてきたが、区長も同様の問題意識を持っていますでしょうか。また、トランスジェンダーと女性の権利の衝突を回避するためには、この条例に今回の条例に反対していた当事者たちの声にしっかりと向き合うということが大切、それこそが区長がおっしゃる対話の実現だと考えますが、では具体的に杉並区で区長提案で条例を出すまでに区長自身は女性の権利を守ってほしいと主張する住民と対話を行ってきましたでしょうか。行ってこられた場合は、具体的にいつどのように対話を行ってきたのか、そこではどのような訴えがあったのか。また、その声を具体的にどのように提出した条例に反映させているか、さらにその反映内容について女性の権利を守ってほしいと主張する方々が、本条例や提案通り配慮されているという納得を得られているというのは、区長自身で確認しているのか、具体的に教えていただけますでしょうか。

区長
1点目は、幅広い多様な意見の人々、そして私に投票しなかった人の意見も聞いていくということは変わりないかというご質問でしたので、これは変わりませんとはっきり申し上げたいと思います。2点目に関しては、トランスジェンダーの方と女性の衝突ということについて、国の議論も合わせて問題意識を持っていますかという質問だと理解しましたけれども、私はまずこの性の多様性を尊重する地域社会をつくるこの条例において、トランスジェンダーの当事者の方たちと女性の安全権利との衝突にさせてしまっている問題、そういった状況をつくり出してしまった状況そのものが問題だと思っています。実際にはそれは法律の趣旨ではありませんし、性の多様性を地域社会の中で尊重するというこの趣旨に沿った理解を地域社会の中でこれからより一層深めていきたいというふうに考えています。その前の意見交換についてなんですけれども、これは2回の住民説明会をまさに区役所の中で開催しまして、たくさんの意見を伺ってきましたし、パブリックコメントにおいても意見をたくさんいただいてきました。そういったことを踏まえて条例案を提出させていただいた、そして議決をいただいたということです。

広報課長
それでは、次の方。

記者
しんぶん赤旗から参りました林と申します。給食無償化について5点伺います。対象となるのは何校で、その生徒は何人でしょうか。2点目に無償化に踏み出した理由や必要性について、この会見以上のことがありましたら教えてください。無償化に踏み出したこの理由やなぜ必要かということについて何かお話がありましたらお願いします。3点目に、19区実施方針を打ち出しているというのは、その行政レベル、区長が出しているということでしょうか。杉並区は20区目に当たるんでしょうか。4点目にこの9億円の財源は何でしょうか。5点目に暫定的措置とした理由は何でしょう。国が一律実施すべきことという意見があったとここに書いてありますが、それを受けてのことでしょうか。それが給食についての質問です。

区長
まず、予算の額について、資料に書いてありませんでしたか。

記者
財源は。

区長
一般財源です。数ですが、19区が既に表明している中で、私たちが予算を提出するのは第3回定例会になります。これは9月ですけれども、それまでにどこも実施しなければ、20区目になります。ただその前に、実施する区があれば、もしかしたら21とか22、23区目になるかもしれません。今のところは20区目になると思います。そして理由についてですが、保護者のアンケートの結果、教育にかかわるお金の負担感が非常に高いということで、区立の小中学校の給食費を無償にすることが幅広く、多くの保護者子育て世代を支援できるというところから、今回、給食費の無償化を提案しています。そして財源については申し上げましたよね。小学校が40校で、中学校が23校で特別支援学校が1校です。ですので、64校ということになります。

記者
何人通ってらっしゃる、生徒数が分かればということも、お伺いします。

広報課長
それにつきましては、後ほど所管の課長の方からお答えいたします。給食無償化以外のことでありましたらどうぞ。

記者
暫定措置とした理由について、国が一律実施すべきことという意見を受けてのことでしょうか。

区長
はいそうです。

記者
無償化以外のことだと、参加型予算についてなんですけど、この森林環境譲与税基金というのは、国の財源、どういう財源でしょうか。この基金を使って気候区民会議を開くということでしょうか。

区長
ちょっと混ざってると思いますが、気候区民会議は参加型予算とは離れた事業です。関連はしてますが、くっついてはいません。気候区民会議は区民が無作為抽出などの方法で集まって話し合って議論をして、気候変動を回避する政策というのを提案していく、アイデアと政策を提案していくもので、今年度中に1回目を始められないかと今、準備しています。参加型予算というのは、今、まさに実施しており、来年度の当初予算に反映させるために、区民が事業提案をしています。その財源については6,200万円なんですが、この財源が森林環境譲与税基金ということです。その森林環境税というのが来年度から一人1,000円徴収されるんですが、それに先駆けて地方自治体は、森林環境譲与税という形で配分を受けています。その配分をもちろん、森林保護をするために使っていますが、それに基金を杉並区ではつくっていて、その基金の部分を今回参加型予算に利用するという、そういう計画でございます。

広報課長
それでは、次の方。

記者
フリーランスの城戸と申します。1年前に区長が就任された時に、自転車で通勤されたのがすごく注目されていたと思うんですけれど、周辺自治体が最近ヘルメットの補助金を出すような自治体が増えてきておりまして、杉並としてそのようなことをお考えなのか、という点、ちょっとお聞きしたいと思います。

区長
ヘルメットの助成が始まったのは、東京都の方が始められて、それを利用した形で、たしか2,000円だったと思うんですけども、区がそのようなスキームを使って作ることが可能になったということだと思います。これはまだ杉並区では実施はしていませんが、ただ今検討中です。

広報課長
それでは、次の方。

記者
NHKの鵜澤です。給食費のことについて伺います。結果的に他の区に遅れをとることになったということですが、アンケート調査だったり、区民との意見交換後、庁内での議論という、この時間は意味のある時間だったということなんですが、もうちょっと詳しく、どういうお考えや観点からこの時間は意味があったというふうに思われるのか。あえて言いますと区民にとっては、もっと早くしてくれた方がよかったと考える方もいるんじゃないかと思いますので、そのお考えを詳しくお聞かせいただけますでしょうか。

区長
今は物価高騰だとか、大変な生活の危機の中で、そういったお声があるのも重々理解しております。ただ、この給食費の無償化に関しては、物価高騰対策としてではなく、地域社会の中で、区が、子どもたちを育てていくという、そういった理念に基づいて行っておりますので、一度やったらきちんと続けなければいけないと考えています。そういった意味で、財政の面で慎重に行わなければいけないというのは、どの基礎自治体も同じ事情だと思います。どのような議論が大切だったかと考えますと、例えば聴っくオフ・ミーティングの中でも、または議会の中でも話し合われたんですが、子育て世代を支援していくという時に何が優先かという議論がよくありました。例えば、給食費も大切だけれど、子どもたちの学習の環境や、先生だけでなく、支援員やICTの支援とか、そちらの方をやった方が良いのではないかというような議論も当然あるわけです。どちらが重要か、どちらが緊急かというようなことはそれぞれ皆さんいろんな意見がありますし、それは区議会の中でも一緒です。大変難しい課題ではありますが、その議論の中では、どちらが重要ではなく、どちらも重要だと私は考えています。とはいえ、どちらも重要だから何でもできるというわけではないので、他の教育的な施策に関しては、きちんと計画の中で位置づけて、そして計画的に徐々に拡充していくという政策をとるべきではないかという議論になりました。一方で給食費に関しては、子どもたちを支援していくという社会全体の合意を、むしろ国にきちんと伝えていくためにも、基礎自治体が一歩を踏み出すことが非常に重要であると思って、この判断に至りました。

記者
区民との直接意見交換等の時間というのは、区民にとっては子育て支援で本当に必要なものは何かと考える、そういう意味がある時間だったというふうに区長はお考えですか。

区長
はい。考えています。区民だけでなくて、いろいろなテーマについて相当多くの職員が関わっています。ですので、区役所にとって、区民のために働く職員にとっても、私にとっても、どのテーマに関しても。給食費無償化だけではなく、ふるさと納税について、そして前回は指定管理者制度についての聴っくオフ・ミーティングをやりましたけれども、どの回も私だけでなく職員もハッとさせられる、いろいろな発想や、そして何よりも区民がこんなにたくさんのことを一生懸命考えているんだという気づきだとか、そういったことが職員にとっても大きな励みになっていると思います。

広報課長
それでは、次の方。

記者
都政新報の岸です。対話の区政の中で、職員の方にとっても気づきがあって意味があるとおっしゃって、対話を求めていくと手間暇はかかると思いまして、この間取材した際も職員の方は実際、検証結果も一つ一つホームページに上げてますし、いろんな意見を書いてらっしゃるので、それだけでもすごく大変だと思うんですね。実際、例えば管理職の定数が増えたわけではないですし、どこに皺寄せが来ているのかなと思いまして、例えば非正規の方を増やしたとか。対話を大事にするっていうことは、職員の方はそれだけ労力を、例えば今までは週1回の住民との調整だったのが複数回に渡ったとか、すごく増えていると思うんですが、そのことについてはどういうふうにお考えですか。

区長
多分2つの方面から答えられるかなと思うんですけども、1つの方面は、おっしゃるとおり、対話をしていくというのは大変なことです。これは区民にとっても大変なことですよね。本当にお忙しい子育て世代も含めてですね、子どもを預けて来てくれる人もいますし、夫婦で来てくれる人、もしくはどちらかのパートナーに頼んでというようなことも、そういった対話の中で出てきます。最近では10代の方も結構来てくれます。これは無作為抽出ということもあると思いますけど、本当に区民にとっても大変なことだけれど、やはり自分たちの住んでいる地域に関わるということの意義とか意味を感じてくれていると思うんですね。ですので、来た人は、また来たい、こんなふうに話ができるんだ、こんなふうに考えてる人がいるんだ、職員が話を聞いてくれるんだ、というようなことを、たくさんフィードバックいただいてます。恐らく、区役所の中の職員でも同じような化学反応が起こっているのではないかと思っています。やはり過渡期においては、これは本当に大変で、職員の人にたくさんの負荷をかけているという事実と、それをなるべくかけないようにしなければいけないという配慮とがあります。その一方で、2つ目としては、長期的に考えていくことが必要だと思っていまして、やはり私たちの区役所の職員のエネルギーをどこに向けていくかということを、実行しながら変えていく、考えていくプロセスそのものでもあると思っています。そして、もしかしたら、区民との対話をする時間を増やすことによって、大変になることではなくて、むしろこれはある意味、地域の合理性というのを計画の中に直接書き込むことができるということにおいて、実は効率的なのかもしれません。まだ今はできてないかもしれないけれど、少しずつ変わっていくんじゃないかと私は思っていますし、変えていかなければいけないと思います。公務のあり方というのがまさに今問われていると思うんです。御指摘にあったように、職員の数が本当に少ないです。そして、非正規の会計年度任用職員が従来は補助的な業務をするというにも関わらず、かなりそれを超えたような仕事をしている職員も何人もいると聞いています。こういった、職員を増やしていくような取り組みというのは、今のこの新しい時代、この複雑な時代に適応していくために、そして区民福祉に貢献していくために、これは本当に時間のかかる作業で、丁寧に少しずつやっていかなければいけないと思います。そこにおいて先程申し上げたように、この優先順位、区の仕事のし方の優先順位を変えていく、もしくはそのチームを変えていくような、縦割り行政とよく言われますけども、横のつながりのチームをつくっていくことによって、協力していくような、そういったことも今実行に徐々に移り始めていると思いますので、中長期的には区職員の負担がむしろ少なくなって、区民のためにより良い政策が打ち出せると希望を持っています。

広報課長
それでは、次の方。

記者
読売新聞の浜田です。再度質問の機会を頂戴し、ありがとうございます。今回の発表内容とちょっと関係はないんですけれども、別の話なんですが、先日、衆議院について解散するんじゃないか、解散総選挙といった話が飛び出てきて、結局は収束はしたんですけど、区長におかれましては国政についてもどうお考えかというのが1点と、あと総選挙になった際に区長としての選挙へのスタンスについてはどうなりますでしょうか。今、こちらの選挙区は8と27に分かれましたけれども、まあ8区から選出されている吉田はるみさんにおかれましては、区長選挙の際、岸本区長を応援するという立場を明確にされましたけれども、区長としては8区の選挙、27区の選挙となった際には、どのようなスタンスをとられますでしょうか。

区長
衆議院が解散をするかしないかということで、皆そわそわという時期があったと思うんですけれども、解散というのは別に政局のためにやるわけではないものですので、そもそも国民のためにやるっていう道理があって行うことなので、これについては今回解散をしなかったことについて、私はそこには道理があったんじゃないかなと思いますけれども。解散する理由がないというか、そういうふうに思っています。それでもですね、いずれ解散する可能性はあるわけで、これはもうそうなったときには、また私も統一地方選挙でもしっかりと自分の考えに基づいて選挙の活動をしてきまして、運動をして応援もしてきましたし、これは衆議院選においても変わらず、積極的に、もちろん公務を一番優先した上で、時間の許す限り活動していくことになると思います。

広報課長
それでは、これをもちまして区長記者会見を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

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