人生の節目を迎えたみなさまへ(令和5年1月9日)

 

ページ番号1085869  更新日 令和5年1月12日 印刷 

(注)令和5年(2023年)1月9日開催の杉並区「二十歳のつどい」における祝辞を掲載したものです。

区長の写真
杉並区長 岸本 聡子

本日お集まりの皆さんが、二十歳(はたち)という人生の大きな節目をむかえられたことを 心よりお祝い申し上げます。

昨年、成年年齢が18歳に引き下げられました。若者の自己決定権を尊重し、積極的な社会参加を促すことが大きな理由です。みなさんの実感はいかがでしょうか?二十歳になられた皆さんに対して、社会がより一層期待をしています。杉並区でもお祝いをしたいと思います。

先日、区内在住の小説家である中島京子さんと或る雑誌の企画で対談をした際、冒頭で中島さんが、ここ10年くらい未来を明るく考えられませんとおっしゃっていました。皆さんが8歳のころに東日本大震災があり、原発事故も起こりました。そして17歳になる年の末から今に至るまで、新型コロナウイルス感染症の未曾有の危機を世界中が同時体験しています。皆さんが中学生のとき、ロシアによるクリミア併合があり、昨年にはとうとう戦争にまで至ってしまいました。日本も世界も危機の連続です。

現在二十歳の皆さんは、その大半の時代を先の見えない、危機の連続の中で生きてきたわけです。私自身を振り返れば、90年代の就職氷河期の最中に大学を卒業しました。いわゆるロストジェネレーション世代です。私も希望よりも不安の多い時代を当事者として生きてきました。そして若い方々や子どもたちが希望を感じられないとき、自分の世代の責任を非常に強く感じています。

このような大変な時代に、一つの重要な未来への道筋を示したのが10代の若者たちです。その道筋とは気候変動問題への取り組みです。2018年、一人の中学生から始まった「気候のための学校ストライキ」が世界中に広がりました。大人たちによって数十年もの間、都合よく忘れ去られた気候変動危機を、若者たちが国際政治のテーブルの中心的な課題に押し上げたのです。

私は「対話から始まるみんなの杉並」をキャッチフレーズに日々仕事をしています。
皆さんを主体的な大人として尊重し、主権者として対話や議論を共にしていきたいと思っています。特に、女性や少数者の生きにくさ、環境問題、こどもの権利、こういった今日的な課題については、これから先、長く生きる皆さんたちが主役になるべきです。

不透明な時代だからこそ、新しい社会のエネルギーが必要です。それを作っていくのは皆さんの世代であること、そして、その計り知れない大きな潜在能力が皆さんにはあることを信じてください。大きな夢を語り、「無理かな」という諦めを打ち破って、自由に、自分らしい人生を楽しんでください。そういう皆さんを受け止められる社会にしたいし、皆さんといっしょにそうした社会を創っていきたいと思います。

これからの皆さんが元気で、幸せがたくさんあることを祈念し、私からのお祝いのことばといたします。本日は誠におめでとうございます。

 

このページに関するお問い合わせ

子ども家庭部児童青少年課
〒167-0051 東京都杉並区荻窪1丁目56番3号
電話:03-3393-4760(直通) ファクス:03-3393-4714