杉並区議会基本条例

 

ページ番号1072295  更新日 令和4年3月16日 印刷 

(令和4年3月16日条例第13号)

目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 議会及び議員(第3条―第7条)
第3章 区民と議会(第8条―第11条)
第4章 議会と区の執行機関(第12条―第15条)
第5章 会議(第16条―第22条)
第6章 議員定数及び議員報酬等(第23条―第25条)
第7章 議会の体制(第26条・第27条)
第8章 補則(第28条・第29条)
附則

杉並区議会は、区民により選ばれた複数の杉並区議会議員で構成する議事機関であり、同じく選挙で選ばれた単独の執行機関である杉並区長との両者により、二元代表制を構成しています。
その二元代表制のもと、杉並区議会は、「みどりと水辺、歴史ある道やまちなみ、そこに暮らす住民の活動や自治への取組」などの「杉並らしさ」を守りながら、執行機関との緊張ある関係を保持し、独立した区の最高意思決定機関として議論を通じて区政運営について決定を行っています。
また、杉並区議会は、区民福祉の増進と住民自治及び団体自治の実現を適切に図り、区民の負託に応えるために、執行機関に対し、政策立案と提言及び監視や評価を行っています。
さらに、開かれた議事機関として情報の公開を推進するとともに、会議規則等にのっとり自由かつ活発な討議を通して、多様な区民及び議員の意見を尊重し、意思決定の過程の透明化を図ります。
これら議会における責任と役割を明確に示すため、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)
第1条 この条例は、杉並区自治基本条例(平成14年杉並区条例第47号。以下「自治基本条例」という。)第6章の規定を踏まえ、議会及び議員に関する基本事項を定めることによって、杉並区議会(以下「議会」という。)及び杉並区議会議員(以下「議員」という。)が区民の負託に応え、区民生活の向上及び区政の発展に貢献することを目的とします。

(他の条例等との関係)
第2条 前条の目的を達成するため、議会の運営及び議員に関する他の条例等の制定又は改廃を行うときは、この条例に定める事項との整合性を図らなければなりません。

第2章 議会及び議員

(基本理念)
第3条 議会は、選挙により選ばれた議員で構成される合議制の意思決定機関であるとともに、執行機関の区政運営を監視及び牽(けん)制する機能を持つ議事機関として、区民の負託に応える議会活動を行うため、公平かつ公正な議論を尽くし、地方自治の本旨の実現を目指すものとします。

(議会の運営及び活動方針)
第4条 議会は、前条に規定する基本理念にのっとり、次に掲げる方針に基づき議会運営等を行うものとします。
(1)地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)で定めるところにより有している条例の制定改廃、予算、決算の認定等を議決する権限並びに執行機関に対する調査、検査及び監査請求等の権限を適切に行使すること。
(2)区民生活の向上及び区政の発展のため、区民の多様な意見の反映を図るとともに、自由かつ活発な討議を行い、効果的かつ効率的な議会運営を行うよう努めること。
(3)議会が保有する情報の公開、会議の公開及び情報提供の充実により、区民との情報共有を図り、区民に対する説明責任を果たすよう努めること。
(4)議会の会議運営を行うに当たり、会議への参加を妨げる社会的障壁等の除去の実施について、必要かつ合理的な配慮に努めること。

(議員の活動方針)
第5条 議員は、第3条に規定する基本理念の実現のために、次に掲げる方針に基づき活動するものとします。
(1)選挙により選ばれた議員であることを自覚し、常に品位を保持し、政治倫理の向上に努めること。
(2)区民の多様な意見を把握し、区政全体を見据えた幅広い視点及び長期的な展望を持って、誠実な職務の遂行に努めること。
(3)積極的な調査研究活動を通じ、審議能力及び政策立案能力の向上に努めること。

(議長及び副議長)
第6条 議会は、議長及び副議長一人を選挙により選出しなければなりません。
2 議長は、議会の代表者として、公正かつ中立的な立場から議場の秩序を保持し、 議事を整理し、民主的かつ効率的な議会運営を行わなければなりません。
3 議長は、前項に定める議会運営の実現のために、必要に応じて調査を行い、任命権者として職員を適切に指揮監督し、議会の事務の円滑な実施に努めなければなりません。
4 前2項の規定は、副議長が議長の職務を行う場合について準用します。

(会派)
第7条 議員は、議会活動を行うに当たり、会派を結成することができます。
2 議員が会派を結成したとき、又は会派に変更があったときは議長に届け出るものとし、議会は速やかにこれを公表するものとします。

第3章 区民と議会

(区民との関係)
第8条 議会は、区民の多様な意見を把握し、議会活動に反映させるとともに、区民が議会活動に参加する機会の充実に努めるものとします。

(会議の公開)
第9条 議会は、本会議のほか、常任委員会、議会運営委員会、特別委員会及び全員協議会を原則公開とし、区民に開かれた議会運営に努めるものとします。

(広報活動の充実)
第10条 議会は、区民が議会に関心を持ち、議会活動に対する理解を深めることができるよう、議会に関する情報を広報紙の発行、インターネットの利用その他の方法により積極的に発信するよう努めるものとします。

(区民意見の反映)
第11条 議会は、請願及び陳情の適切な審査に努め、その審査に当たっては、請願者又は陳情者による補足説明の機会を設けることができます。
2 議会は、第8条の規定による区民の意見の把握が不十分である場合等、必要に応じて公聴会制度及び参考人制度の活用に努めるものとします。
3 議会は、法第99条の規定に基づく意見書を、国会又は関係行政庁に提出することができます。

第4章 議会と区の執行機関

(区長等との関係)
第12条 議会は、区長、教育委員会その他の執行機関(以下「区長等」という。)に対し、区の議事機関としての役割を果たさなければなりません。

(議決)
第13条 議会は、法第96条第1項の規定に基づき、条例の制定改廃、予算、決算の認定その他の事件を議決しなければなりません。
2 議会は、法第96条第2項及び自治基本条例第14条第1項の規定に基づき、区政運営の指針となる基本構想の策定又は改定を議決しなければなりません。
3 議会は、前項に定めるもののほか、議決事件に必要な事項を条例によって追加することができます。

(執行機関の人事)
第14条 議会は、法令の定めに従い、次の各号に掲げる執行機関の職員の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める人事に係る議決又は選挙を行わなければなりません。
(1)副区長 選任の同意及び解職
(2)監査委員 選任の同意、解職及び罷免
(3)教育長及び教育委員会委員 任命の同意、解職及び罷免
(4)選挙管理委員会委員 選挙、解職及び罷免
(5)農業委員会委員 選任の同意及び罷免

(調査及び説明要求)
第15条 議会は、法に定めのある検査権、監査請求権、調査権及び説明要求権等を行使することができるほか、区長等に対して資料の提出を求めることができます。
2 議会は、杉並区区民等の意見提出手続に関する条例(平成21年杉並区条例第41号)の規定により区民等の意見提出手続が実施された政策等の案については、公表された結果を審議の参考にするものとします。

第5章 会議

(定例会)
第16条 定例会は、法第101条の規定に基づき区長が招集し、議決により会期を定めるものとします。

(臨時会)
第17条 臨時会は、次の定例会を待たず審議する必要が生じたときに区長が招集し、議決により会期を定めるものとします。
2 法第101条第2項又は第3項の規定に基づき、次に掲げる場合において、議長又は議員は、区長に対し臨時会の招集を請求することができます。
(1)議長が、議会運営委員会の議決を経て、付議事件を示したとき。
(2)議員定数の4分の1以上の議員が、付議事件を示したとき。
3 前項に規定する臨時会の招集を請求したにもかかわらず、20日以内に区長がこれを招集しない場合、議長は、臨時会を、同項第1号に該当するときは招集することができ、同項第2号に該当するときは請求をした者の申出のあった日から10日以内に招集しなければなりません。

(本会議)
第18条 議会の最終的な意思は、議場に参集した全ての議員により構成される定例会又は臨時会の本会議において決定します。

(委員会)
第19条 議会は、常任委員会及び議会運営委員会を設置するとともに、必要に応じて特別委員会を設置します。
2 常任委員会は、次のとおりとします。
(1)総務財政委員会
(2)区民生活委員会
(3)保健福祉委員会
(4)都市環境委員会
(5)文教委員会

(委員会の活動)
第20条 常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)は、傍聴人に配慮するとともに、委員外議員に質疑及び意見表明の機会を提供するため、開催日が重複しないよう相互に調整するものとします。ただし、緊急を要する場合等、委員長が必要と認める場合は、この限りではありません。
2 委員会は、所管事項の審査又は調査を専門的に行うため、その委員の一部で構成する小委員会を設置することができ、その運営方法については委員会で決定することとし、小委員会は、委員相互の自由討論に努めることとします。
3 委員会は、審査及び調査にあたり、必要と認める場合には分科会及び連合審査会を活用し委員会運営を行うよう努めるものとします。
4 委員会は、必要と認める場合には閉会中の審査又は調査を行い、議会活動の充実に努めるものとします。
5 その他委員会に関する事項は、別に定めます。

(質問・質疑及び討論)
第21条 議員は、本会議において、議長の許可を得て、区政一般に関する質問並びに提出された議案等に関する質疑及び討論を行うことができます。
2 議会は、区の重要事項に関する論点を明らかにするため、区長の所信表明及び予算編成方針に対し、本会議において区長等に代表質問を行う機会を設けます。
3 委員会の委員は、委員会において委員長の許可を得て、議題について質疑を行い、意見を述べることができます。

(その他の会議)
第22条 議会は、法第100条第12項の規定に基づき、議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場を設けることができます。

第6章 議員定数及び議員報酬等

(議員定数)
第23条 議員定数は、杉並区議会議員定数条例(昭和61年杉並区条例第35号)で定めます。
2 議員又は委員会が、議員定数に関する条例改正の議案を提出する場合は、この条例の基本理念等を踏まえるものとします。

(議員報酬)
第24条 議員報酬は、杉並区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例(昭和31年杉並区条例第20号)で定めます。
2 議員又は委員会が、議員報酬に関する条例改正の議案を提出する場合は、杉並区特別職報酬等審議会等の意見を参考にするものとします。

(政務活動費)
第25条 政務活動費は、杉並区議会の会派及び議員に対する政務活動費の交付に関する条例(平成13年杉並区条例第26号)で定めます。
2 政務活動費の交付を受けた会派又は議員は、政務活動の経費について使途基準に基づいた収支等の報告書を議長に提出しなければなりません。
3 政務活動費の使途基準等は、学識経験を有する者で構成される政務活動費専門委員会での意見等をもとに、政務活動費調査検討委員会で検討を行い、議長が定めます。

第7章 議会の体制

(議会事務局)
第26条 議会に関する事務を処理するため、杉並区議会事務局条例(昭和25年杉並区条例第13号)で定めるところにより、議会に区議会事務局を設置します。
2 議会は、議員の政策形成及び政策提言に関する機能を高めるとともに、円滑な議会運営を推進するため、区議会事務局の調査、法務その他必要な機能の充実を図るものとします。

(議会の施設)
第27条 議会は、議会活動を行うために、杉並区役所本庁舎内に設けられている議場、委員会室、議長室及び副議長室、議員控室等を活用するものとします。

第8章 補則

(条例の見直し)
第28条 議会は、議会運営がこの条例の目的及び基本理念等に則して行われているかどうかを、一定期間ごとに議会運営委員会等で検証し、必要があると認めるときは、この条例の内容について検討を行い、その結果に基づいて所要の措置をとるものとします。

(委任)
第29条 この条例の施行に関し必要な事項は、別に定めます。

附則
この条例は、令和4年4月1日から施行します。

 

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電話:03-3312-2111(代表) ファクス:03-5307-0695