97 西方寺 【寺院】(梅里1丁目4番56号)
当寺は、松苔山峯巌院(しょうたいさんほうがんいん)と号する浄土宗の寺院で、本尊は木造阿弥陀如来坐像です。
「文政寺社書上」によると、元和3年(1617年)に開山である本蓮社心誉利通(ほんれんじゃしんよりつう)により開創されました。一説には慶長2年(1597年)の開創ともいわれています。
開基は、徳川3代将軍家光の弟、駿河大納言忠長といわれ、忠長の法号「峯巌院」を寺号としています。また寺紋の「五三(ごさん)の桐」は豊臣家との縁を示すものと伝えられています。
当初は四谷追分(現・新宿区新宿三丁目23番・新宿駅北側付近)にあり、文政12年(1829年)・明治31年(1898年)と2度の火災に遭いました。大正9年(1920年)、中央線の拡幅と道路の拡張のため現在地へ移転しました。
昭和20年(1945年)5月、戦災により堂宇(建物)をみな焼失しており、現在の伽藍(がらん)は、昭和56年(1981年)5月に再興されたものです。
当寺の所蔵する絹本著色(けんぽんちゃくしょく)阿弥陀三尊来迎図は、14世紀仏画の好例です。また境内の承応2年(1653年)銘の石造観音六面幢(どう)は、江戸初期に観音像を浮き彫りにしたもので類例が少なく、同時代の庚申信仰資料として高い価値を有しています。これらは、ともに杉並区有形文化財に指定されています。
この他にも、延宝7年(1679年)銘の如意輪観音像など多数の石仏や、明治の豪商山城屋和助の墓、あるいは食鳥を供養する鳥塚(明治38年(1905年)造立)や外南洋機動舟艇(しゅうてい)部隊殉難烈士供養塔などがあります。
また、墓地の中央には、区政施行以来の区内無縁仏の供養塔があります。
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