64 不動堂 【寺院】(荻窪2丁目28番)

 

ページ番号1007896  更新日 令和3年5月1日 印刷 

 この不動堂は、別名「護施不動尊(ごせふどうそん)」といい、堂内には宝暦六年(1756年)に造立された「南無妙法蓮華経不動明王 上荻久保村別当仲道寺」と刻まれた高さ六尺(約1.8メートル)の石塔が納められています。
 この石塔には、江戸時代に下荻久保村に熱病が流行し、大勢の人が亡くなった時、村人達が浄財を出し合って石塔を建立し祀ったところ、それから直ぐに熱病がピタリと止んだという話が伝えられており、それ以後近郷近在では熱病が流行ると、ここで祈りを捧げたといわれています。
 現在でも多くの方のお参りが続いていて、霊験のあらたかさを物語っています。
 不動堂が現在地に移されたのは大正時代の末で、当時の区画整理の折に、それまで都立荻窪高校のあたりにあったものが、当地に移転したと伝わっています。
 不動明王はサンスクリット語で、アチャラナータ(揺るぎない守護者)といい、仏法の障りとなるものに対しては怒りを持って屈服させ、逆に仏の道に入った者には、常に守護して見守るとされます。不動明王は、真言密教の要素が強いのですが、日蓮宗でも曼荼羅の脇座に据えられており、祈祷本尊となっています。特に除災得幸、厄除安全、戦勝祈願、病魔退散、修行者守護、所願成就などに利益があるとされます。日本では平安時代頃より信仰され、現在でも「お不動様」の名前で広く親しまれています。なお、境内にある祈念碑は昭和52年(1977年)に不動堂の再建を記念して建立されました。

令和3年3月

 

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