145 東原遺跡 【遺跡】(久我山5丁目18番7号)

 

ページ番号1007916  更新日 平成28年1月18日 印刷 

この遺跡は、区立久我山小学校から都営富士見住宅一帯にかけて広がる後期旧石器時代(約30,000年前)、縄文時代草創期・早期・前期・中期・後期(約12,000年~3,000年前)、江戸時代の複合遺跡です。
遺跡は、神田川によって形成された北岸の台地上に沿うように営まれており、昭和51年には小学校部分が、平成4年には都営住宅部分が発掘調査されました。
小学校部分の調査では、縄文時代中期終末の加曽利E4期から後期初頭の称名寺期の文化を中心とする土壙(墓)や土坑(貯蔵穴)が多数検出されています。特に、中期終末文化では石棒を伴っていることから、祭祀的な性格をもっていたかもしれません。
都営住宅部分の調査では、台地南側の先端部付近において関東ローム層第5・第4層内からナイフ形石器・スクレーパー(皮剥)を伴うユニットと複数の礫群(バーベキューの跡)が検出されています。一方、台地北側部分では、今のところ区内で唯一の草創期の住居跡が検出されています。この住居跡は、一辺が約3メートル、深さは約10センチ程掘り込まれたもので、不整方形をしたものでした。住居の内部から当該期の土器は出土していませんが、床上からこの時期特有の石器である「有舌尖頭器(弓か槍の先)」が出土しています。
近年、神田川上流に沿った久我山から下流の高井戸一帯にかけて縄文時代草創期の遺跡が集中していることが解ってきました。その中で、全国的にも数少ないこの時期の住居跡が東原遺跡で発見されたことは、区内最古の縄文人が神田川流域に定着したことを意味する貴重な遺跡と言えます。

平成7年3月

 

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