85 妙正寺川 【川】(清水3丁目22番)

 

ページ番号1007939  更新日 平成28年1月18日 印刷 

妙正寺川は、妙正寺池を水源とし、区内北部をほぼ東へ流れる延長約9キロメートル(区内部分約1.2キロメートル)の川で、中野区・新宿区を経て神田川に合流し、最後は隅田川にそそぎ込みます。
武蔵野台地上にある杉並区では、地下6~7メートルに武蔵野砂礫層が堆積しており、その中を流れる地下水が、標高約50メートル付近にある窪地から地表に湧き出て、飲料水などとして利用されてきました。
この湧水も現在ではほとんど見ることができませんが、妙正寺池もその一つです。本川の流域には、小規模な縄文・古墳時代の遺跡が点在しており、古代から人々の生活に適した環境をつくり出していたものと思われますが、水量はそう多くはなかったので、江戸時代になって、千川用水より引水し、神田川上水の助水として利用されてきました。
しかし梅雨の頃になると水量が増えるので、人々が集まり、竹竿の先につけたジョレンなどを使い、川をさらったり、長く伸びた川藻を刈取ったりしました。
又昔は、神奈川県の大山阿夫利神社を信仰する人が多く、その講中の人々は、代参人を大山に送る時、下流の寺前橋付近にあった「清めの不動様」を祀る大水門で、水垢離をとったといわれ、日照りが続くと阿夫利神社からの神水と、妙正寺から借りた太鼓を先頭に、大水門から村中を練り歩き、最後にその神水を川に流し、雨の降ることを祈ったといわれています。

昭和60年3月

 

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