138 向方南遺跡 【遺跡】(方南1丁目52番7号)

 

ページ番号1007988  更新日 平成28年1月18日 印刷 

この遺跡は、区立方南小学校から区立方南児童館一帯にかけて広がると推定される、縄文時代後期(約2,500年前)を主体とする遺物散布地で、昭和57年に発見されたものです。
遺跡は、神田川の蛇行と侵食によって形成された、区立方南小学校の低地部分と区立方南児童館の台地部分とに別れています。昭和57年に実施された方南小学校部分の発掘調査では、縄文時代後期当時の川岸と考えられる砂層から、3点の完形土器と約70,000点の土器片、石鏃・磨製石斧・打製石斧等の石器類が約20点出土しました。
また、この砂層(現在の校庭面から約3メートル下にある)からは、当時神田川の川岸に生えていた葦等の植物遺存体とともに、炭化したクルミ・トチ・シイを初めとする木の実類、化石化した小動物の歯や小骨片類が多量に出土しています。これらの木の実類や小動物は、縄文人が食料にしていたものでしょう。昭和63年に実施された児童館部分の発掘調査では、完形土器5点を含む約3,000点の土器片、磨製石斧・打製石斧・石皿等の石器類および装飾品である土玉等が出土しています。
今のところ、両地点とも住居跡は発見されていませんが、児童館部分では焼土が遺されていた炉穴が検出されています。
おそらく、両地点とも集落からはずれた土器捨場か、一時的なキャンプサイトの性格を有していたものと思われます。
どちらにしても、本遺跡は区内で初めて発見された低地遺跡として注目されています。

平成11年3月

 

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