20 東運寺 【寺院】(方南2丁目5番4号)

 

ページ番号1007989  更新日 平成30年7月5日 印刷 

 当寺は、阿弥陀如来像を本尊とする浄土宗の寺院で、「釜寺」という通称で親しまれています。
 元禄14(1701)年頃に当寺の住職であった祐梵上人筆の由緒書によると、天正元(1573)年、備前(岡山県)の僧一安上人が当地に来て、安寿と厨子王の守り本尊「身代り地蔵尊」を奉じ、これに帰依した方南の大地主鈴木伊兵衛が屋敷を寄進、念仏堂としたのが当寺の開創と伝わります。大正11(1922)年、下谷入谷町にあった東運寺(慶安4〔1651〕年、茂山上人開山)と合併し、念仏山東運寺と山号と寺号を改めました。
 「釜寺」という通称の由来となった「身代り地蔵尊」には、山椒太夫(さんしょうだゆう)に釜ゆでにされそうになった厨子王を、お坊さんの姿になって助けたという言い伝えがあり、それにちなんで当寺本堂の屋根に釜を置いたといわれています。現在の大釜は、昭和20(1945)年の戦災で本堂焼失後、当地の檀徒が寄進したもので、米一俵(60キログラム)を炊くことができるといいます。
 当寺には、元禄2(1689)年の刻銘のある半鐘や江戸初・中期の庚申塔や石仏などが保存されています。また、「鉦冠薬師」と呼ばれる木造仏も安置されており、本像は寺伝によると徳川第十三代将軍家定公に縁があるとされています。山門は、一関藩主であった田村右京太夫の江戸屋敷脇門を移築したもので、赤穂藩主であった浅野内匠頭が切腹の折に通ったと伝わります。そのほか、中国山東省の孔子家より贈られた銘木「楷樹(かいのき)」が数株植えてあるのも珍しいです。

平成30年3月

 

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