11 済美台遺跡 【遺跡】(堀ノ内1丁目16番38号)

 

ページ番号1007991  更新日 令和6年6月7日 印刷 

済美台遺跡は、大宮一丁目・堀ノ内一丁目の北部に広がる遺跡で、旧石器時代(約35,000 年~16,000年前)、弥生時代後期(約1,800年~1,700年前)、古墳時代後期(約1,400年~ 1,300年前)、中世、近世といったさまざまな時代の資料が発掘されています。
発掘調査で発見された主要な遺構として、弥生時代の環濠集落があります。環濠集落は、周囲を大きな溝で取り囲んだ集落で、弥生時代に特徴的な遺構です。この溝は集落の境や防衛などの目的で造られたと考えられ、区内では本遺跡の他、方南の方南峰遺跡や浜田山の鎌倉橋上遺跡で発見されています。
また、古墳時代の遺物として、多量の滑石(かっせき)製の石製品が出土しています。臼玉(うすだま)と呼ばれる穴が開いた玉や、剣や鏡をミニチュア化して模造したとされるものがあり、祭祀に用いられた道具と考えられています。このような祭祀関係遺物は、現在でも区内唯一の発見例として貴重な資料であり、杉並区指定有形文化財(考古資料)となっています。
本遺跡は、善福寺川が大きく蛇行し、三方向を川に囲まれた舌状台地に形成されていて、獲物や食糧・水などを得る、田畑を耕作するといった、各時代の生活に適した環境であったと考えられます。

昭和15年の地図系に現在の遺跡構造を重ねたもの
左図は昭和15年(1940年)の地形図に現在の遺跡地図を重ねたものです。
地形や橋など、この付近には当時の面影が残っています。
済美台遺跡滑石製模造品の画像
済美台遺跡滑石製模造品
済美台滑石製臼玉の画像
済美台滑石製臼玉

 

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