129 向山遺跡 【遺跡】(堀ノ内2丁目5番26号)

 

ページ番号1007993  更新日 平成28年1月18日 印刷 

この遺跡は、杉並区堀ノ内二丁目5番にある区立済美教育研究所敷地一帯を中心とした、低地に広がる古墳時代後期(約1,400年前)を主体とする集落跡で、昭和62年に発見されたものです。
遺跡は、善福寺川の蛇行によって形成された沖積低地上に営まれており、東側に隣接する縄文時代中期(約3,500年前)を主体とする熊野神社西遺跡とは内容を異にするようです。
昭和62年に実施した発掘調査では、古墳時代後期の住居址3基のほかに、縄文時代中期の土器片、江戸時代後期のゴミ捨場1箇所、明治から大正にかけて使用されていた灌漑用水路が検出され、この遺跡が複合遺跡であることも解りました。
検出された古墳時代の住居は、灌漑用水路によって一部破壊されていましたが、床上や貯蔵穴内からは、当時の日常的な雑器である甕・甑・坏・碗等の土師器類、糸を紡ぐ道具である紡錘車も出土しています。
また、江戸時代のゴミ捨場からは、やはり当時の日常的な雑器である瀬戸・美濃系の陶器類・キセル・かんざし・刀子・釘等の金属器類、泥めんこ・泥人形・土笛等の土製玩具類とその抜型、釜・土瓶等のミニチュアの飯事道具類が一括して廃棄してありました。
本遺跡は、杉並区内で江戸時代の遺構が検出できた数少ない遺跡です。
なお、出土した江戸時代の玩具類は、区立郷土博物館に常設展示してあります。

平成2年3月

 

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