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すぎなみビト ローカルガイド アンディ・ミラ
オーストラリア人のアンディ・ミラさんは杉並に暮らして約8年。阿佐谷・高円寺エリアを中心に、杉並のまちを訪日観光客に案内する「Dig東京ツアー」を主催しています。訪ねるのは観光名所ではなく、日常に根ざした場所ばかり。そんなツアーに込めた思い、アンディさんが思う区の魅力などを語っていただきました。
本ページで使用している街並みの写真はアンディさんの提供です。
目次
海外から来た皆さんに、何げない日本の日常を見てもらえることが嬉しいです
プロフィール:Andy Miller(アンディ・ミラ)
1979年オーストラリア・メルボルン生まれ。大学在学中にワーキングホリデーで初来日。日本人の妻との結婚を経て、平成28年より家族で杉並区に暮らし始めると同時に、徒歩や自転車で杉並のまちを巡る訪日観光客向けツアー「Dig東京ツアー」を立ち上げる。「Dig(ディグ)」は「Like(ライク)、Love(ラブ)Enjoy(エンジョイ)」を意味する英語スラング。
家族で根を下ろした杉並は「グッドバランス」なまち
初めて日本を訪れたのはいつ、何がきっかけですか?
初来日は21年前の大学生のときです。ワーキングホリデービザで海外へ行こうと考えたときに、たまたま新聞で「日本に行ってみませんか」という広告を見かけて気になり、日本へ行くことを決めました。今でこそインバウンドの勢いがすごいですが、当時はまだ、気軽に行ける国というイメージではありませんでした。言葉も文化も何もかもオーストラリアとは違う。スマートフォンも翻訳ツールもない時代ですから、若い私にとってはどちらかというと「冒険」の気持ちが強かったです。
実際に日本に来てみて、どんな印象を抱きましたか?
どんな流れを経て、現在の住まい(高円寺)に至ったのでしょうか?
名古屋の中学校で英語教師として働いた後、オーストラリアで大学を卒業して、再び名古屋に戻って暮らしました。その間に日本人の妻と出会い、オーストラリアで結婚し、子どもが2人生まれました。そして8年ほど前、妻の東京転勤をきっかけに3度目の来日を決意し、杉並で暮らすことになりました。
杉並に決めたのはどんな理由からだったのですか?
私も妻も東京のまちがあまりわからなかったので、まずはネットでいろいろなまちをリサーチしました。当時、子どもたちは2歳と5歳。子育ての環境もまちを選ぶ基準でした。JR中央線沿線は音楽に関する店や個人商店が多く、どこか出身地のメルボルンに雰囲気が似ているようにも感じて、試しに阿佐谷に住んでみたところ「このまちいいな」と思うようになって。本格的に住める家を探して今の高円寺の家に根を下ろしました。
阿佐谷・高円寺エリアを「いいな」と思ったポイントは?
都心に近いけれど近すぎず、静かでリラックスできる雰囲気があるところです。子どもたちと遊ぶ公園も充実している。一方で、大人が楽しめる店もたくさんあって、一言で言うなら「グッドバランス!」。それが阿佐谷・高円寺エリアの魅力だと思います。
散策気分で日常を味わう「Dig東京ツアー」をスタート
「Dig東京ツアー」を立ち上げたのはなぜですか?
来日後はオーストラリアにいたときと立場が変わり、妻が主に外で仕事をして、私が家事・育児を担うことになりました。自分も仕事をしたいけれど、保育園や習い事の送迎、夕飯の準備などやるべきことがたくさんある。そんな中で柔軟にできる仕事は何か?と考えた際に思い描いたのが、自転車を利用したツアー事業でした。子どもたちの送迎も電動ママチャリでやっていて自転車には馴染みがあったし、それまで多くの国を旅してきて世界のいろいろな人、異なる性格・文化を持つ人たちと出会ってきた経験もある。そんな背景もあり、ガイドの仕事はいいなと思っていたので訪日観光客向けの「Dig東京ツアー」をスタートしました。
「Dig東京ツアー」の特徴を教えてください。
いわゆる観光地ではなく、私が暮らすエリアを中心に、日本のありのままの姿を感じられる場所を少人数で巡るツアーです。移動は徒歩か自転車。ツアーと言いつつも、「散策」と呼びたい感じ。私自身もツアーガイドというよりは、高円寺の住人の1人として日常を案内している感覚です。
あくまで日常を案内しようと考えたのはなぜだったのですか?
訪日観光客の多くは短期間で日本を旅行します。そのため都内でも、例えば新宿・渋谷など有名な場所だけを訪ねて終わってしまう。もちろんそういった場所も魅力的ですが、新宿・渋谷=日本という印象になってしまうような気がして。私としてはもっと日本の日常生活を見てほしいなという気持ちがあったので、日常の案内をコンセプトにしました。
どんな場所を訪れるのですか?観光客の皆さんの反応も気になります!
定番は高円寺~阿佐谷~善福寺川付近を巡るコース。自転車をピックアップするとき、自転車が整然と並ぶ駐輪場も海外の皆さんにとっては珍しいようで、「自転車が捕まっているみたい!」という声が度々聞こえます(笑)。自動販売機の温かいドリンクや立ち食いそばなどの日本独自の文化は、海外の皆さんにとっては新鮮な体験に感じられます。他にも道路のちょっとした標識・ゴミの出し方・日本の学校についてなど、通りかかった場所に応じて会話をする中で、さまざまな文化の違いに皆さん驚きます。
アンディさん自身はこの仕事のどんなところに喜びを感じますか?
「1人では行けないところへ行けた」「普通の1日を過ごせた」などと言ってもらえることが喜びです。観光客だけでは入りづらいローカルな店に立ち寄り、例えばそば屋でタクシー運転手が休憩しているような、そんな何気ない日本の風景を見られることが参加者にとっては嬉しいようです。
杉並のまちの皆さんと共に行うツアーに挑戦したい
今後、杉並のまちで挑戦したいことはありますか?
お客さんに充実した時間を提供する「Dig東京ツアー」であると同時に、まちの皆さんにも喜んでもらえるような事業にしたいと思っています。今注目しているのはコミュニティー、まちとのつながり。挑戦したいことは、まちの皆さんと一緒にツアーを行うことです。今はオーストラリア出身の私が外国人の目線で杉並のまちを紹介していますが、もともとこの地域に暮らす人たちが紹介すると、また違う視点もあるのではないかと思うのです。
異なる文化をルーツに持つ人同士が一緒にまちを作っていく、共生していく。その秘訣をアンディさんは何だと考えますか?
たくさんの人との出会いを通して、文化の違いはあって当たり前、違いを受け入れて互いに努力することが大切だと分かりました。一方で、広い視野で全体を見渡せば、どこの国の人も皆変わらないとも感じます。共生する上で一番大切なのは笑顔。笑顔でいる姿勢です。それだけで多くのことが解決します。その気持ちを持って、杉並のまちにもっと根ざしていきたいです。
アンディさんが気になった 杉並のこんな所がinteresting!
- 子どもたちを守る道路に描かれた動物
文字だけでなくイラストでも表現されていて、小さな子どもたちが見ても簡単に理解できる、遊び心のある素敵なアイデアです!
- 狭あい道路整備・拡張後のプレート
緊急車両が通れるように道路を広げるために協力することは、地域の安全を守るための素晴らしい行動ですね!
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