4年度の区指定文化財が決まりました(5年3月15日)

 

ページ番号1085950  更新日 令和5年3月15日 印刷 

区では、昭和58年度から文化財指定を行っています。令和4年度は、歴史資料1件、考古資料1件を指定しましたのでご紹介します。

(1)【区指定有形文化財(歴史資料)】尾崎喜八関係資料(ガラス乾板附ネガフィルム)747点

本資料は、大正末期から昭和戦前期にかけて杉並区に住んだ詩人・尾崎喜八が杉並区内外の風景・人物などを撮影したガラス乾板とネガフィルムです。

同資料からは、尾崎の嗜好や生活環境、交友関係などが窺えると同時に、カメラが希少な時期に撮影された区内外の写真は全体として貴重であり、農村の面影を残す当時の区内の自然や生活風景も収められています。

写真を自らの創作の背景を説明する手段としても利用した尾崎の乾板は、尾崎自身や作品の理解に資する資料であり、詩人・尾崎喜八を考察する上で欠く事の出来ない貴重な資料です。

【所在】郷土博物館(杉並区大宮1丁目20番8号)

玉川上水の写真
玉川上水(昭和7年 高井戸)
荻窪の写真
善福寺川(昭和8年 荻窪)

尾崎 喜八(明治25年~昭和49年)について

自然と音楽を愛した尾崎は、高村光太郎の文章に触れ文学の道を志し、ロマン・ロランに傾倒し独自の詩境を深めました。また、自然観察や登山にも情熱を注ぎ、尾崎の自然や山に対する想いは自身の作品によく表れています。

尾崎喜八自画像
尾崎喜八 自画像(昭和12年)
高村光太郎と尾崎喜八一家の写真
高村光太郎と尾崎喜八一家
(昭和8年 高村のアトリエ前)

(2)【区指定有形文化財(考古資料)】向方南遺跡(むかいほうなんいせき)出土縄文時代遺物(追加)87点

今回の追加指定資料は、向方南遺跡第5次調査(E地点)で発掘された出土遺物です。

神田川右岸の旧河道の川底に堆積した土壌から、縄文時代前期~後期の土器、石器、土製品、石製品、木製品等のさまざまな材質の遺物が出土しました。そのなかでも特に木製品や編組製品の残存状態が良好でした。

資料からは、神田川流域で生活していた縄文人が、土器や石器だけでなく、木製品・竹製品を利用した豊かな生活をしていたことがうかがえます。

高台付椀や籃胎漆器椀(らんたいしっきわん)は、杉並区内で初出の資料であり、都内でも非常に貴重な資料です。

【所在】郷土博物館(杉並区大宮1丁目20番8号)

高台付椀の写真
高台付椀(こうだいつきわん)
籃胎漆器椀の写真
籃胎漆器椀(らんたいしっきわん)
櫛の写真
櫛(くし)

区指定文化財とは

区指定文化財とは、歴史や文化財を知る上で、学術上重要な文化財として、選定したものです。
杉並区の場合は、登録文化財の中で特に貴重なものを選定し、指定文化財としています。

 

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