学識経験者からのメッセージ

 

ページ番号1044014  更新日 平成30年9月1日 印刷 

杉並区にとって夢のある公共施設の再編を

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東洋大学 経済学研究科
(公民連携専攻)客員教授
PPP研究センター 南 学

杉並区だけではなく、全国的に公共施設の再編成が課題とされてから、数年が経過しました。人口増加、経済成長の時代に多くの施設が建設されましたが、50年ほど経って大規模改修や改築の時期を迎えた現在、財源難でその費用全部を負担できないことから、施設の統廃合を検討せざるを得なくなったという背景があります。

学校や保育所、福祉センター、図書館や文化施設、集会施設などの公共施設は、個別の目的に沿って整備されてきました。しかし、その実態を調査すると、稼働率も利用者比率も低く、光熱水費すら利用料金で賄えない施設が多いことが全国的な状況です。しかも、公共施設と言いながら、大部分は、おおむね、地域住民の1割程度かそれ以下の利用率であり、稼働率も2~3割なのが一般的な傾向です。

一方で、保育所が整備されても、0~2歳児の母親の半数ほどが家庭保育であり、「ママ友」が毎日の「お出かけ」に際して、自由に使える施設はほとんどないのが実態です。また、中高生が放課後に自由に過ごす施設や高齢男性の過ごす場所も極めて少ない(関西の競輪場には毎日1,000名もの高齢男性が集まっている事実もありました)など、公共施設を必要としている方々に施設が不足していることも分かり、公共施設の在り方を基本から捉え直す必要性が指摘されるようになりました。

また、飲食が禁止されていたり、音を出すことや、物販や有料プログラムが制限されている施設では限られた利用しかなく、一方で、市民や民間事業者による自由で魅力的なプログラムが飲食を伴って展開されるような、自由な施設の利用に多くの参加者が集まる傾向にあります。

杉並区は、高品質で魅力的なプログラムを提供する事業者、それを楽しむ区民が多く存在し、地区ごとに特色を持った、都内でも地域イメージとポテンシャルの高い地域です。これまでのように、個別目的ごとに設置された施設であっても、区民や民間事業者の知恵と工夫によって、集約しながら魅力的な複合施設へと転換することは可能でしょう。そして、集約によって生じた「跡地」は、たとえ小規模でも民間事業者のノウハウや資金で、魅力的な場所に生まれ変わることも可能です。

杉並区にとって、夢のある公共施設の再編成は十分に可能です。全国のモデルとなるような発想転換の実現を期待しています。

 

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