小学1年生に向けて「こどもひとりでのお留守番」(平成30年7月15日)

 

ページ番号1042626  更新日 令和4年6月27日 印刷 

「すぎラボ」は杉並区で子育て中のママライター・パパライターによるコンテンツです。

いつも一緒にいたお子さんも、大きくなれば独り立ちするもの。
その始めの一歩は、ひとりでのお留守番なのかもしれません。
特に共働きの家庭では、小学校入学と共に超えなければならない壁でもあります。
そんな「初めてのお留守番」について、すぎラボメンバーが周囲のママたちに聞いた体験談を基に、気をつけたいことや心構えなどをお伝えさせていただければと思います。

おうちで待てるかな

まずは、短時間の留守番から始めましょう。
最初はゴミ出しに行って来る間、すぐ近くのお店で牛乳を買ってくる間など、徐々に時間を伸ばしながら様子を見てみて下さい。

ある程度まとまった時間(10~30分程度)お留守番ができるようになったら、今度は留守番中の注意点をこどもに伝えていきましょう。注意点は思った以上に多いので、全部一気に伝えても、こどもも覚えきれないし、色々怖くなってきて留守番に恐怖心が出てしまうこともありますので、少しずつ根気よく時間をかけて教えていきましょう。

留守番中、不安になったり悩んだりしたときはどうする?

地震に戸惑う男の子のイラスト

何かあったときは、パパやママと電話連絡が取れるようにしておきましょう。
ちょっとした物音や部屋の隅の暗がりで、こどもはパニックを起こすこともあります。いざという時の電話のかけ方は、きちんと教えておきましょう。近くに頼れる人がいるならば、その方の電話番号も教えておけるといいですね。

留守番中に、家の電話が鳴ったらどうする?

電話の対応については、お子さんの年齢や家庭の電話設置状況にもよりますので、我が家に一番合っていると思われる方法を選んでお子さんに伝えておきましょう。

  1. 電話は一切無視でOK。
  2. 電話の表示がパパやママなど決まった相手の場合のみ出る。
  3. とりあえず電話には出たうえで、「パパやママは今トイレなので出られません」などと答えてもらうようにする(電話に出ない=留守だと思わせないための対処)。

おそらく多くのご家庭では、1か2のどちらかを選んでいるのではないでしょうか。
3ができれば、という気もしますが、小1には難しいかもしれません。

留守番中にインターフォンがなったらどうする?

こちらもお家の状況などに合わせて対処方法を選んでお子さんに伝えておきましょう。

  1. インターフォンは一切無視でOK。
  2. とりあえずインターフォンには出たうえで、「パパ・ママは今お風呂なので出られません」などと答えてもらうようにする(電話に出ない=留守だと思わせないための対処)。

電話の3同様、インターフォンの2は、小1にはちょっと難しいかもしれません。
しかも、答えた内容によっては相手がドアの外で待ってしまう可能性も高いので、 その場合を考えると、電話以上にハードルは高いかもしれません。

なお、何か理由があって留守番中に玄関扉の鍵を開けてしまった場合は、必ず鍵を閉め直すよう念を押しておきましょう。

留守番中に地震が起きた場合はどうする?

予め、隠れる場所を教えておきましょう。
頑丈なテーブルがある場合はテーブルの下など、隠れやすそうな場所をお子さんと一緒に探してみて下さい。棚やテレビからは離れるようにと伝えておきましょう。

また、家の中のものが倒れてくるような大地震の場合は、家の中に留まるのは危険なこともあります。大きな地震が起きた時は「A小学校(震災救援所)に集合」、「B公園(広域避難場所)に集合」というように、ご家族内で集合場所を事前に決めておくことが重要です。

とはいえ、そこまでの道のりで火事が出た場合など、移動するのも危険な場合があります。あらゆることを想定し、ここなら絶対大丈夫、という場所はなかなかありませんから、できればいざという時頼れる大人の存在を近くに作ってあげられるといいですね。普段家にいらっしゃる同級生のお母さんや、よく行くお店の店員さんでもいいかもしれません。いざという時の存在を近くに作ってあげられれば、留守番をさせる親御さんも、お子さん自身も安心できるのではないでしょうか。

我が家の娘が小学校低学年の頃、ひとりで留守番をしていた時に大きめの地震が来たことが一度あったのですが、その時は同じ学校にこどもが通っている同じマンションのお宅に行って、しばらく一緒にいさせてもらいました。
学年も違う子で普段それほど交流があったご家庭ではなかったのですが、なんらかの接点があるおうちを教えておけば、意外とこどもはたくましく行動してくれるのかもしれません。

なお、災害時のご家族の安否確認には、「災害用伝言ダイヤル171」や各携帯会社等が開設する「災害用伝言板」といったツールもありますので、参考までに。

留守番中に火事があったらどうする?

間違っても火事を起こさないよう、火は使わせないのが基本ですが、電線のショートによる発火や、もしかしたら近隣が火事になるかもしれません。何かおかしいと思ったら、どう行動するかも決めておきましょう。

ケースバイケースなので、実際どう伝えるか難しいですが、火事とはどんなものなのか、もし火事かなと思ったときはどうするのか、ご家庭内でもぜひ話し合っていただければと思います。

大雨で浸水の可能性があったらどうする?

川沿いのお宅などでは、大雨による浸水の可能性も考えられます。
杉並区の「災害・防災情報メール配信サービス」に登録すると、災害時の緊急のお知らせや杉並区内の気象警報・注意報、一定基準値を超えた雨量・河川水位などが配信されますので、活用されてはいかがでしょうか。

大雨や浸水が不安な場合は、早めにお子さんと電話等連絡をとる一方、できるだけ早く帰宅したいところですが、保護者の帰宅前にこどもが避難しなければならない場合はどうするか、事前に検討しておきたいものです。
大雨の場合、雷で停電になることもあります。暗闇の中でお子さんがパニックにならないよう、懐中電灯の場所なども共有しておくと良いですね。

不審者がいた場合にはどうするか

保護者の留守中は、玄関には鍵、窓も全部閉めて鍵、が基本ですが、もしかしたらドアをどんどん叩いてくる不審者や、留守宅だと思って侵入してくる人がいるかもしれません。ここまで来るともう、こどもひとりではどうにも出来ないかもしれませんが、世の中には怖い人もいるということを伝えておいて、ある程度警戒心をもっておいてもらったり、とっさの時の対応について事前に話し合っておくことも必要かもしれません。
いざという時の110番も教えておきましょう。

災害や不審者の話は、いろいろなケースを考えるとキリがありません。思いついた端から全部こどもに伝えようとしても、変に怖がってしまったり、飽きて途中から聞いてなかったりしてしまいがちです。
ですので、さあ明日から留守番、という時になってからではなく、1年くらいかけるつもりで日ごろから徐々に生活の中で伝えておくようにしましょう。
万が一の時に読めるようカードにしておく、壁に貼っておく、なども良いかもしれません。

鍵を使おう

鍵を持つ小学生の女の子

両親共働きで学童クラブからひとりで帰ってこなければならない場合や、年齢が上がりひとりで出かけることも増えてきた場合は、鍵の開け方、閉め方も覚える必要があります。

玄関から出て鍵をかける

これはそう難しいことではないかもしれません。鍵を刺す方向、回す方向を教えればOKです。

念のため、ドアを開ける前に、ドアの前に知らない人がいないか確認する癖を付けておきましょう。また、忘れ物を取りに戻るなどの短い時間も、内側からきちんと鍵をかけるよう指導しておきましょう。

外から帰ってきて玄関の鍵を開ける

玄関の前に着いたら、一度背後を確認する癖をつけましょう。不審者がついてきて、一緒に入り込むのを防止するためです。オートロックの集合玄関があるマンションの場合は、集合玄関でも同じように確認しましょう。

背後の安全が確認できたなら、鍵を取り出してドアを開けます。
鍵っ子なのを分からないようにするために、玄関に着くまでは鍵を絶対に見せないよう注意しましょう(ランドセルに鍵を付ける場合は、カバーを付けたりポケットにしまったり、鍵を持っていることが分からないよう工夫してあげましょう)。

玄関に入ったら、誰もいなくとも大きな声で「ただいま」を言って、すぐに鍵をかける。
「ただいま」と言うことで、家の中に誰かいるかもしれないという印象を与えましょう。
また、ドアの前までどんなに気をつけていても、鍵をかけ忘れては台無しです。家族が留守でも在宅でも、必ずドアの鍵はかけるよう癖を付けておきましょう。

留守番にまつわるあれこれ

鍵を持って行くのを忘れてしまったケース

我が家の話ですが、仕事中に小学校から「鍵を持ってくるのを忘れてお家に入れないそうです」なんて電話を何度か受けたことがあります。
基本、鍵はランドセルに付けっぱなしにしているのですが、前日遊びに出かける時に外して持っていってそのまま戻し忘れたとか、遠足でリュックなのにランドセルの方に鍵を付けっぱなしだった、などということが時々あります。ですので、できれば鍵はランドセル用と遊びに行くとき用の2つ用意したほうが安心かも。

それでも忘れてお家に入れない(そしてパパママもすぐには帰れない)場合は、誰かお友達のお家にいさせてもらうとか、児童館などで待っていてもらうとか、そういった場合の行き先も考えておいたほうがいいでしょう。

鍵を紛失したケース

鍵の紛失も要注意です。どこか見知らぬところでなくされるのはまだいい方で、どこの家の鍵か分かる状態でなくされるのは大問題。

我が家の場合、長男が玄関の鍵穴に鍵を差したままにしたとしか思えない状況で一度鍵をなくされ戦々恐々。速攻で鍵屋さんに鍵を交換してもらい、新しい鍵には存在感たっぷりなチェーンと鳴り物をこれでもかとつけてやりました。

そのおかげか、その後鍵をなくすことはなくなりましたが、Aさんのお宅では何度もこどもに鍵をなくされたことがあるそうです。ひもでランドセルと繋いでおいても、使いにくいからとこどもは外してしまいがち。帰り道で鍵につけた輪っかに指を入れてクルクル回してたらどこかに飛んで行ってしまった、などの事例も聞いたことがありますので、鍵の持たせ方には十分工夫を凝らしましょう。

なお、首からぶら下げるタイプは、何かあったとき首が締まって危険という理由で小学校からNGが出ることも多いそうです。ただ、こどもの性格上など、理由を説明してOKが出た例も聞いていますので、ぜひ一度学校側と相談してみてください。

不安になって家を飛び出してしまったケース

地震に慌てる子供と母親のイラスト

ひとりでの留守番も、始めの頃はちょっとした物音が気になったり、部屋の隅の暗がりが怖くなってしまったりなど、不安になってパニックを起こしてしまうこともあるかもしれません。

Bさんの娘さんは結構しっかり者らしいのですが、それでも小学校1年生の頃は何度か家を裸足で飛び出し、通りすがりの人に保護されたことがあるそうです。近くのコンビニに泣きながら行って、コンビニの人が学校に電話してくれたこともあるとか。

Cさんの場合は、「何かあったときは、近所のコンビニに行ってメモの電話番号に電話かけてくれるようお願いするんだよ。」とお子さんに伝えておいたそうなのですが、ある日お子さんが留守番中にパニックになり、家の近くの道端で「すみません、だれか〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇に電話をかけてください」と泣きながら連絡先の電話番号を大声で叫んでいたことがあったそうです(幸い同級生のママが通りかかってくれて事なきを得たそうですが)。

メモなどを残す場合には、電話番号だけでなく、どうするかまでをきちんと書いておいたほうがいいかもしれませんね。

日にちの感覚がまだあやふやなケース

小学校低学年のうちは、まだ日にちや曜日の感覚がしっかりしていません。
Dさんのお宅では、ある月曜に「今週、木曜日はママうちにいるよ」と伝えたところ、翌日火曜日に「今日はママが家にいる」と思い込んで学童に行かずお子さんが帰ってきてしまい、家に誰もいなくて途方にくれて大泣きしているところを近所の人が自宅で保護してくれていた、ということもあったそうです。

まとめ

OA機器のイラスト

どのケースも、通りがかった人が知っている人だったり、良い人だったりしたから今では笑い話ですが、もし悪意のある人だったらと思うとぞっとします。
やはり、何かあったときは善意の第三者ではなく、きちんと「どこどこの大人に頼る」ということを決めておくことが大事なのではないでしょうか。
学校や児童館が近いならそれが一番でしょうし、距離があるなどの理由でちょっと現実的でないなと感じたら、普段ママがおうちにいる同級生の家とか、コンビニなども最終手段としてはありかと思います。

また、最近は便利な機器も色々あります。
携帯電話もそうですが、ドアの開け閉めに反応して親の携帯に通知を送ってくれる施錠システムや、センサーの反応で登録携帯に画像を送ってきてくれるモニターフォンやウェブカメラなどなど。
機械は危険な側面もありますが、上手に使えばこどものお留守番での不安ごとも軽減できるのではないでしょうか。

留守番は、ある日突然できるものではありません。こどもは思いもよらぬ行動に出たりするものなので、トラブルの種類も千差万別。色々試して失敗もすることもあるかと思いますが、我が家にあった留守番方法を、お子さんと一緒にぜひ考えてみて下さい。

すぎラボライター 晶姐

 

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