保健センターの小児救急講座に参加してきました(令和5年11月15日)

 

ページ番号1090741  更新日 令和5年11月15日 印刷 

「すぎラボ」は、杉並区で子育て中のママライター、パパライターによるコンテンツです。

第1子を育てているパパママは、子育ての全てが初めての経験だと思います。もし赤ちゃんが発熱や嘔吐をしたり、けいれんを起こした時にどう対処したらいいのだろう?と、万が一の時に漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そんな方へ向けて、杉並区では各保健センターで年1~2回ほど小児救急講座を開催しています。小児科医が講師となり、赤ちゃんに多い病気とその対処法や小児科医との上手なつきあい方などをお話ししてくださいます。
この記事では、実際に講座に参加した筆者が、特に参考になった「赤ちゃんに多い病気とその対処法」についてレポートします。

講座情報

講座名:小児救急普及事業「新米パパママへ 小児科医からのメッセージ」
日時:令和5年10月12日(木曜日)午後2時から3時
場所:高円寺保健センター 1階講堂
対象:0歳児(第1子)と保護者 15組
講師:高円寺こどもクリニック 保田 典子先生
費用:無料

(注)杉並区内の各保健センターで年1~2回実施、講師は各回によって異なります。詳細は各保健センターへお問い合わせいただくか、杉並区HPのイベントページでご確認下さい。

高円寺保健センターの受講環境

子どもと一緒に受講可能です。
講堂にはクッションマットが敷かれているので、子どもを寝かせておいたり、遊ばせながら受講できます。講堂内には保育士さんや職員さんが待機しているので、子どもがぐずった時に、抱っこやあやすなど対応してもらえます。オモチャを借りることもできます。子連れでも安心して参加できる環境でした。

設備面では、ベビーカー置き場が保健センター内の入口付近に設けられ、授乳室もあります。授乳室は広い会議室のような1部屋を共有で使用する運用で、室内のオープンスペースには机・椅子やおむつ替え用ベッドがあり、奥にはパーテーションで目隠しされたスペースもあります。

乳児と遊ぶナミーのイラスト

講座内容のまとめ(一部抜粋)

今回の講師は、小児科医の保田典子先生でした。医師歴は20年以上で、令和3年に高円寺こどもクリニックを開業。三児のママでもあり、医師としての見解と母親としての実体験を織り交ぜながら、こどもに多い病気・事故、小児科医とのつきあい方についてのお話してくださいました。
先生のお話の中から、赤ちゃんに多い病気とその対処法について、一部を抜粋してご紹介します。

子どもが病気だと思った時のチェックポイント、受診の目安

  • 飲めているか(食べているか)?
  • 意識がしっかりしているか?
  • ゆっくり寝られているか?
  • おしっこが出ているか?
  • 機嫌はどうか?遊べているか?

哺乳瓶を持つナミーのイラスト

上記で一番大事ポイントは「飲めているか(食べているか)」。0~2歳くらいまでは、これさえできていれば大丈夫な場合が多い。注意すべき病気の場合、大抵は「飲めない(食べない)」「ぐったりしている」という症状が出る。
発熱時の受診基準として、5日間発熱が続いたら病院へ行った方がいい(日数の数え方は、24時間熱がない状態が続いたら一旦カウントをリセット)。ただし、万が一の時に、親御さんが「あのとき受診しておけばよかった」と思うことが一番良くないので、心配ならすぐ受診することをお勧めする。

病気の種類を知っておくことが大切

病気の種類は「ウイルス疾患」、「細菌疾患」、その他の病気などがあるが、熱が出る病気はほとんどが「感染力がある」病気(=感染症)。異なるのは川崎病、がんなど稀な病気のみ。

ウイルス性感染症

「風邪」の9割以上がウイルス性感染症で、根本的な治療薬はないため、自然に良くなるのを待つしかない。(インフルエンザ、水ぼうそう、ヘルペスなどを除く)。基本的に細菌性よりも軽症で終わることが多く、全身に症状が出るのが特徴。下痢、咳、鼻水などの症状が同時に現れることもある。

細菌性感染症

抗生剤が効く感染症。症状としてぐったりしたり、入院での点滴治療になることが多い。

看病するときに知っておきたいこと

病気を治すためにはエネルギーが必要だが、食事をすると消化するためのエネルギーを取られる。食べられなくても、きちんと水分が摂れており、おしっこが出ていれば、様子をみてもOK。安静が一番の治療。

子どもが病気の時の対処法

熱のとき

  • 薄着にする(もし寒がっていたら、熱が上がりきる前なので暖かくしてもOK)
  • 嫌がらなければ冷やす(首のうしろ、脇の下)
  • おでこに貼る冷却ジェルシートは外れて窒息の元になるので使用しない方がいい
  • 食事は無理をしない
  • 水分はこまめに摂る
    おしっこが出ているかチェック

けいれんのとき

  • まずは気道確保(吐く恐れがある時は窒息しないように、右側を下に横向きにする)
  • 救急車を呼ぶ
  • 口にはタオルを入れない
  • どんなけいれんだったか覚えておくと診療に役立つ
    どこがけいれんしていたか?目はどこを向いていたか?何分続いたか?動画を撮れたら撮る。

救急車を呼ぶタイミングは、けいれんを見た瞬間でOK。一般的には「5分以上けいれんが続いたら」と言われているが、救急車は呼んでから到着するまで平均で約7分。5分待ってから救急車を呼んで7分後に到着、その後さらに搬送先を探して…となると親御さんにとっては気が遠くなるほどの時間が経過してしまう。
もし人手が足りている状況なら、1人は気道確保、もう1人は救急車を呼んだ後にけいれんの動画撮影と手分けするといい。動画撮影は余裕がある場合のみで大丈夫。

救急車となみすけのイラスト

嘔吐のとき

  • すぐに脱水にはならない
  • まずは飲まず食わずで様子をみる(30分~1時間くらい)
    嘔吐はしばらく続く場合が多い。3~4時間、長くても1日で収まることが多いため。
  • 嘔吐が収まったかなと思ったら、ごく少量ずつ水分を与える
    母乳やミルクを飲んでいる子はそれを。断乳・卒乳後は経口補水液を。母乳やミルクが飲めれば無理に経口補水液にする必要はない。
  • ご飯は翌日からでもOK

アレルギーが疑われるとき

食物アレルギーが大半。発疹のみのことが多い。写真を撮っておくと診療に役立つ。

  • 嘔吐を繰り返す、呼吸が苦しそう、ゼイゼイする、顔色が悪い(青い)
    救急車を呼ぶ
  • 顔がむくんでいる、全身に発疹が出る
    受診した方がいい
  • 食べたものを記録する(市販品ならパッケージも)
  • 「ポツポツ」という発疹はアレルギーよりも、かぶれの場合が多い

具合が悪いなみすけのイラスト

編集後記

私は子どもが生後9カ月の時に受講しましたが、生後3~4カ月頃までに受講して、もしものときに備えておきたかったと思える内容でした。子どもが体調不良の時は、必要に応じてかかりつけ医に相談することが大切ですが、「発熱した時はどうしたらいい?」、「熱性けいれんになったらどうすればいいのだろう?」などの漠然とした不安について、あらかじめ「知っておく」ことでだいぶ和らげることができました。
赤ちゃんが母体からもらった免疫力が低下するのは、一般的に生後6カ月を過ぎる頃からと言われています。我が子の突然の体調不良時に慌てないために、保健センターでの本講座は大変役立つと感じました。
赤ちゃん連れの参加でもサポートの職員さんがたくさんいるので、ご興味のある方はぜひお近くの保健センターで受講してみて下さい。

すぎラボライター サニー

 

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