63 鎌倉橋 【橋】(下高井戸4丁目43番)

 

ページ番号1007954  更新日 令和6年8月7日 印刷 

神田川にかかるこの鎌倉橋について、「武蔵名勝図会(ずえ)」には、「上下高井戸宿の界にあり。古(いにし)えの鎌倉街道にて(中略)いまは農夫、樵者(しょうしゃ)の往来道となりて、野径の如し」とあります。
鎌倉街道は、東国御家人と鎌倉を結ぶ道で、鎌倉~室町時代に繁栄しましたが、江戸時代以降、次第に衰え、後半期には前述の「野径の如し」といわれるようになりました。
また、この付近には、鎌倉時代に陣屋櫓が作られ、後に大田道灌(おおたどうかん)の支配地になってからは、家臣某が任に当っていた、という伝承が残されています。
橋名の由来について、同書の多摩郡之部高井戸宿高井戸旧跡の条に「鎌倉街道ゆえ、鎌倉橋という」とあります。
また一説には、長禄元年(1457年)、大田道灌が江戸城を築く際、工事の安全を願い、家臣に命じて下高井戸八幡神社を創立させ、武士の信仰の厚い鎌倉八幡宮の神霊をまつったおりに、鎮座地に近いこの橋を鎌倉橋と名付けたといわれています。
また、延宝2年(1674年)の下高井戸村「御縄打帳写(おんなわうちちょううつし)」には、「鎌倉橋北側」「鎌倉橋南側」という小字名がみえています。
このことからみても、江戸時代初期には、すでに「鎌倉橋」という字名がついていたといえるでしょう。
なお、『東京府豊多摩郡誌』は、大正初期の鎌倉橋について、木造・延長3間・幅員1間と当時の様子を伝えています。

 

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